穴倉

欠けているもの
茶色に濡れた額縁に
遠い山肌は優しかったと
後ろには逆さな記憶もあるようで

平らにならされたのは
誰でもないと言い切って
掘り込む両手に汚れは見えない
原油の色が網膜にあれば

平面に腕が吸い付く時間に
甘い香りが街に生きると
引き取る息の強張りは
小さな綺麗事でつぶらにして

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