四小節
黙っていても見える事があるような気がするのはなぜだろう。銅山の向こうには帆船があって、鳥が梢を伝っていくように風をここより巨大な大陸へ運んでいる。そこにあったのは意味らしきもの。荒んで見えたベッドの皺が、君の全てを否定している。こめかみを押さえて嘆いてみせた、その動作は誰に覚えて欲しかったのか?
君を知っていた。冬が来て秋に戻っていくこと、手段ではなく主題が何より大事で。
つれないドアを濡らしている。根源なる景色だけがいつも不安に晒されて、震えた声は窓に寄りかかりながら抱擁を求めていた。憐憫と媚態の混ぜ合わせは得する事なく綺麗な発色をしている。少なくとも俺はそう言い切って死んでいくよ。
鳥籠に眠る神話の体系が、僕らの生活をつまらないものに還元していく。糸を引く愛も、優位性を勘違いしたまま無機質になっていく。唾を吐きながら舌を入れて欲しいんだ。捨て去るように一緒にいれば、ここと昨日は繋がるはずだから。