美しいもの

平凡に暮らしていても
くだらないものが多すぎるよ
上を向いて進んでいくだけならば
永遠にそんなこと繰り返してればいい
そこにはなにも求めるものなんてないから
俺はひと足先にドロップアウトするよ
champagne supernovaのフレージングより
胸を振るわすものなんてどこにもない
薬物中毒のフロントマンが歌う
売れないバンドの一節が
命を救ってくれる夜もある
メロディと言葉の抱き合わせで
少しでも分かり合えればいい
虚構の物語に官能さを見出せなくても
僕は君を愛し続けているよ
ずっと前から君の生き方に
心惹かれていたから
皮膚の硬さを人知れず押し出して
荒波に抗ってる
それは何よりも美しいもの
文字なんか連ねるより美しいもの
誰も傷つけなくても復讐はできる
アルコールの海の底に
潜水していくさまは滑稽かな
シーンの最前線に立って
一体感を生んでみようか
そこに価値がないとうそぶきながら
それでも人肌を求めている
抱きしめてほしいんだ
僕のこと理解なんてしなくていいから
嘘みたいなキスでも
今の僕には切実なんだ
憂鬱と倦怠を撒き散らしたリビングに
残ったラブソングを歌ってる
誰かがそれを墓標に添えてくれればい
思慮の浅い人たちを嘲笑いながら
自分自身を内省し続けたい
加害者になる勇気なんてなくても
明日は平等にやってくるから
現実から1センチ離れた綺麗事を
殴るように描き出すよ
飛び降りようとした体に
何よりも美しい言葉を捧げているよ
だから気づいてほしい
信じることには意味よりも素敵なものが
きっとあるはずだから