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魂のMr.Children全アルバム紹介

「miss you」がリリースされた時に勢いで書いて完成しなかった古い記事を最近整えたのでここで供養させていただきます。

「miss you」が好みだったことを記念して全アルバム紹介を僭越ながらさせていただきます。散々他の人が客観性があって素晴らしい記事を書いてるので、ここでは本当に個人的な印象を主に書いていきたいと思います。厄介オタクの戯言なのでぜひ適当に流してください。明らかに好みのアルバムだけ文量が多くなってしまうのは許して。


Everything

ビートパンクmeets渋谷系

記念すべきデビュー作。流石にあんまり聞かないです。まんまポリスのイントロから始まるし。歌詞もアレンジもだいぶ甘くて青いです。でもためいきの日曜日のスライドギターは好き。

Kind of love

渋谷系の括りに入るのも分かるくらいアレンジが都会的ですごい聞きやすいです。やりすぎてちょっと古臭く感じますがこの懐古感がとても好きです。前作より一気に曲も洗練されていて桜井先生の人懐っこいメロディが際立っています。distanceのバブル感あるエレピが好き。思春期の夏という悪質な罠が途中で控えているので気をつけていただいて。

versus

挑戦的な三作目。このアルバムが一番とっつきにくいイメージがあります。曲の振り幅があるというか。個人的には「love」のクズさ加減が衝撃でした。こういう女性に非難される歌詞を爽やかなメロディで誤魔化して笑顔で歌い上げる時点で桜井先生は異常者です。蜃気楼のまんまBeatles感も楽しい。逃亡者とかいう罠がまたあるので気をつけていただいて。

atomic heart

多分みんなイノセントワールドとクロスロードしか聞いてないでお馴染みのこのアルバム。さすがに時代を感じさせるアレンジで通してはあんま聞くのはきついかも。でも雨のち晴れとoverは聞け。あとクラスメイトっていう不倫の曲が僕の中で、竹内まりやのマンハッタンキスと並んで不倫曲不動のナンバーツーです。やっぱり実績もあるので不倫の曲書かしたらこの人が一番です。

深海

一体何があったんすか?そう心配せずにはいられないコンセプトアルバム。diveのシームレスなつなぎからものすごい泥臭いバンドサウンドで始まる「シーラカンス」では太古の生物であるシーラカンスに自身の理想像とその挫折を投影し「ありふれたlove story 」では今まで彼らが歌ってきた恋愛詞への痛烈な皮肉を、「so let’s get street」では長渕剛風のフォークソングでポスト団塊世代の苦悩を吐き出しています。「ゆりかごのある丘」は歌詞のストーリーテリングが浜田省吾からの影響を感じさせます。表題曲では、(空虚な樹海を彷徨うから今じゃ死ぬ行くことにさえ憧れるのさ)という退廃的なリリックが並びます。そんな暗い曲が並ぶなか、「花~mement moli」が救いの光のようにアルバム全体を包み込んでいます。個人的には「虜」のゴスペル要素が好き。あと、このアルバムが好きなやつはレコーディングスタジオが同じのレニークラヴィッツのlet love ruleも絶対好きです。だから聞いてくれ。

bolero

シングルベストみたいでまとまりがないとか言われてるけど意外とそんなこともないと思う今日この頃です。商業的に全盛期?なので曲の耐久度はさすがです。ミスチルには珍しく傘の下の君に告ぐなど社会的な目線を持った曲もあります。この中だとやっぱり幸せのカテゴリーが好き。ものすごいニヒルな目線から愛の喪失と向き合うリリックがささります。

discovery



一番洋楽に寄った作品。レディオヘッドの影響が色濃いです。ok computerのlet down聞いてprismのパクリだ!って思ったバカな中学時代を思い出します。ツアーバンドを冷めた目線で描写する#2601の歌詞の世界観が好き。(ミシェルファイファーの唇が好き)という歌詞があるんですが、桜井先生は男の性的な欲望に対する自己嫌悪的なリリックをコンシャスに書く感じがあります。あとはやっぱりアンダーシャツが特筆すべき点かなと。ファンクの中にこうやってメロディを乗せれるんだと衝撃でした。あとギターソロの奇妙さが大好きです。

Q


はい歴史的名盤がきました。(あ、これ全曲紹介になるわ、、)このアルバムはバンドサウンドとしての面白さを感じ取ることができます。なおかつボーカリストとしてもこの時期が1番好きです。(あ、嘘次のアルバムの方が好き)
明らかにメロディの乗っけ方が限界突破してるセンターオブユニバース。jpop史に残る(ちちじみあがった魂ひなびたベイビーサラミもう一度フランクフルトという)名リリックを生み、ギターの音作りがたまらないその向こうへ行こう。ロックバラードとして100点すぎて逆に説明することがないnot found。綺麗だよねつよがり。これが一番好きになれば合格だよね12月のセントラルパークブルース。中毒性半端ないjenのループ的なトラックの上でナカケーの印象的なベースラインが響き、歌詞も連想ゲーム的に展開していきながら自我論になっていくさまが素晴らしい友とコーヒーと嘘と胃袋。(メロディの奇妙さが群を抜いていてボブディラン〜吉田拓郎系譜というより落語研究会に入っていた桜井先生の出自によるものではないかと妄想します。)街灯が二秒後の未来を照らすロードムービー。ピンク・フロイド的な音像からミスチルの思想的根幹を知れるeverything is made from a dream。泣いてまうやろ口笛。デモの方が好きhallelujah。ピアノとコバタケストリングスというシンプルな編成で終幕にふさわしい私的なラブソング安らげる場所。

いつもは素通りしてたベンチに座り見渡せば 
淀んだ街の景色さえ愛しさに満ちてる

口笛

こんな綺麗事も人懐っこいメロディに乗せれば、そう思わせてくれる力があるって音楽って素敵ですよね。

it’s a wondeful world

はい歴史的名盤二枚目です。普遍的な別れから前向きになっていく様を描写したone two threeのメロディが神です。(ぬるま湯の冥利と分別を知った者特有のもろく鈍く持て余すほろ苦い悲しみ)っていう歌詞がまじ分かるわって感じです。シリアスになりすぎずに自分に手を抜くことの楽さも知って、その上でやり続けることを選ぶ際の心の葛藤を的確に書いてます。このアルバムはufoのエロいベースラインとか、drawingの間奏のコバタケ神演奏とか他にも魅力がいっぱいあります。アルバムコンセプトの根幹を担う二曲目のdear wonderful worldと最後の曲のit’s a wonderful worldは途中まで同じなんですが、ラストの方は追加されている部分があります。

無駄なものなど
きっと何一つとしてないさ
突然訪れる鈍い悲しみであっても
忘れないで 君のこと
僕は必要としていて
同じように それ以上に
思っている人もいる
侮らないで 僕らにはやらることがある
手遅れじゃない まだ間に合うさ

it’s a wonderful world

これがこのアルバムの全てです。

シフクノオト



暗いんだけどポップネスがあって普遍性があるという離れ技です。pinkの詞は幻想的でこういうふうにも書けるんだと才能を見せつけられました。あとやっぱanyいいよね。これでanyの意味覚えました。

あれ、書いてる量少なくない?

I love you

あんまり好きじゃないんです。その理由を解説している人がいました。すごいです。ぜひそちらをご覧ください。

home

another story良いよね。(抱き合いながら僕らは孤独とキスをして 分かったようなセリフ囁きながら眠りに落ちて 朝が来て日常が僕らを叩き起こし 逃げるようにベットから這い出る)という歌詞があるんですが、こういう男女の不可能性に対しての冷めた描写がグロいなと思います。男の情けなさを描く時に桜井先生はあくまで、俺はモテるし君と関係を得れるけどでも本当の深いところでは分かり合えてないよね?、みたいなスタンスをとるので大衆に受け入れられやすいのかなと感じました。あと、あんまり覚えてないやの歌詞の作り方は発明です。これ聞きながら公園の家族見てたら号泣しちゃいました。柄谷行人じゃないけど、風景の発見ってまじですね。

supermarket fantasy

思い出深い一枚。ミスチルではじめて聴いたアルバムなので思い入れはあるが昔聞きすぎて意外と聞き返してない。しかしポップさだけで考えた時にこのアルバムが1番だとは思う。それぐらいカラフルでキャッチーなアルバム。入門には絶対これを薦める。「hanabi」や「gift」などの強いシングルもあるし。口がすべってという男女の喧嘩から世界平和を願うみたいな曲があるんですけど、こういういかに綺麗事書けるか選手権だと桜井先生は突出してますよね。あと水上バスが神。

SENSE

あんま聞かない。ごめん。howlの音のハメ方相変わらずえぐい。

an imitation blood orange

批判されてる理由もわかるし、実際震災後で音楽的挑戦を自粛したんだろうなとは感じるが祈りのメロディとイミテーションの木の歌詞は白眉だと思う。

情熱も夢も持たない張りぼての命だとしても
こんな風に誰かを癒せるなら

イミテーションの木

日本のポップミュージックの前線にいるアーティストがこれを歌うのは衝撃を受けました。

reflection

一応naked版を念頭において。復活作と当時言われていた記憶がある。曲数が多くバラエティに富んでいて明らかにフレッシュな雰囲気を感じる。i wanna be thereがアメリカを感じて好き。

重力と呼吸

リアタイでめっちゃワクワクして期待度上がりすぎてたせいもあるけどあんまり分からなかったアルバム。邦ロックに寄っていてそれが当時の厄介ファンの自分には受け入れられなかった。なんなら発売前に公開されてたdemoの皮膚呼吸のほうが好き。

soundtracks

音作りって大事なんだねって思わされました。ドラムの鳴りで感動することなんてあるんですね。memoriesがミュージカルみたいで好き。あと蛇足ですけど、othersをCMに提出した桜井先生は本当に昔のことを反省しているんでしょうか。


miss you

ぐろいって描写が。全体的に暗くてびっくりしました。フォークロックに戻ってきてくれただけで感動なんですけど、見どころが沢山あります。(それは確かに感謝しなくちゃね)というラインが周りを見過ぎて自分を見失ってる詞世界をダイレクトに伝えるi miss youから始まり尾崎なfifty’s mapへ。三曲目には削ぎ落としたバンドサウンドの中でアコギのリフががたまらない青いリンゴ。サビの爽快感をバンドが後押ししてない感じが老成した感覚を与えてくれます。続いてはミスチルでリムショットってあったけ?ってなるくらい印象的に鳴るare you sleeping well without me?

コーヒーカップが口を逸れて
お気に入りのシャツにこぼれ落ちた
汚して 拭き取って
汚して 拭き取って

are you sleeping well without me ?

ネガティブな感情を吐き出す際の描写がなんかいちいちグロいんですよね。コーヒーを溢したのは自分が悪いし誰も責めることができないことからこの厭世感が出るのかなと分析しました。5曲目にはキャッチーさで言えばシングルのメロディーに救いのない描写を乗っける捻くれぶりを見せるlostが続きます。そしてヒップホッパー桜井の暴れっぷりを楽しむアート=神の見えざる手。リリックは置いといてジャジーなトラックが普通にかっこいい。7曲目はたつろうが憑依した雨の日のパレード。8曲目は枯れた疲労を感じさせるフォーキーなparty is over。シンプルな編成だと声質の素晴らしさを改めて思い知ります。音域的に出なくなってきた部分をオーバーダビングのハモリで解決するのが味になっていて好きです。9曲目は絶対みんな好きwe have no time。譜割りがqすぎて僕は泣きました。管楽器を入れてもおしゃれになるというより民族的になっている気がします。次曲のケモノミチはシングルとして聞くとよくわかんなかったんですけど、この位置にあるとなぜかしっくりきます。ここで一旦総括している感じかなと勝手に思っています。
11曲目の黄昏と積み木が流れた時に実家に帰ってきた感覚になります。優しいよね音が。ずるいよねやり方が。完全にたらしのやり方だよね。ここからラストのおはよう、までずっと日常性の感謝へと帰結していきます。君という存在をリスナーと重ねる記事が多いですが、自分はシンプルに恋人、夫婦関係と割り切って聞きました。なんとなく音楽の歌詞にはホモソーシャル的な価値観に対するアンチテーゼがあると勝手に思っているのですが、その最たる表現が君への素朴な愛情を歌うことなのではないのでしょうか。自己を再確認できる場がそこしかない世界の不安定さというか、そんなんが背景にあると考えて聞くとグッときます。僕はおはようのjenのバスドラが優しすぎて泣けます。
もっとログハウス的な感じのアルバムになると思っていたらインディーシーンとも共振するような曲もあって最高でした。

こんな感じになりました。疲れて尻すぼみになってます。全然魂じゃありません。言ってること無茶苦茶かもしんないけど許してください。

あ、忘れてた。

b side

シングルのカップリング曲だけを集めたアルバム。時代の流れを感じ取れて楽しいです。デルモとheavenly kissは聞いとけ。

以上です。長々と失礼いたしました。

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