虚無戦史RINTAROU
先週、友人と水族館に行きました。
人間が住めない、水の世界。
それが目の前に広がり、海の命が泳いでいる。
なんとも不思議な気分です。
魚たちを見ると、心が地上を離れ、時間を忘れて水槽へ引きこまれます。
魚たちは、人間のことをどう思っているのでしょう。
脅威と認識しているのか、変なヤツがいるな~と思ってるのか。
先日の水族館では、じーっとこちらを見つめてくる魚がいました。
種類は忘れましたが、そこそこ大きいヤツです。
それが水中で静止し、ただただこちらを見つめてくるのです。
表情はまったく読み取れません。
なにを考えてるんだろう。あるいはなにも考えてないのかもしれない。
僕たちが水槽を離れても、その魚は別の客をじーっと見つめていました。
友人曰く、僕もその魚のような表情――『虚無顔』を、よくするそうです。
先日の飲み会でも、しょっちゅう虚無顔をしていたらしい。
言われてみれば、思い当たる節があります。
自分に関係ない会話が始まると、集中力が自動的にオフになるんです。
そのとき僕は虚無顔になっているのでしょう。
そんなことを考えていたら、ワクワクしてきました。
もしかしたら石川賢先生の『虚無戦記シリーズ』に加われるかもしれない。
ですが石川先生は、鬼籍に入られています。
(ゲッターとひとつになったとも表現します)
いつか先生にお会いできたら、虚無戦記に加えてくれないか頼んでみます。
ああっ、やっぱりダメです。
そういえば僕は死後、地獄に落ちる予定でした。