小説ですわよ第3部ですわよ7-6
※↑の続きです。
水原三平は恵まれた人生を歩んでいた。大手建設会社の部長で、年収は2000万。妻と娘ふたりに恵まれた。千葉の有名アトラクションの建設……には関われなかったが、そのスタッフが行き来する地下迷宮のような通路の建設に携わった。東京の世田谷に一軒家を建てることができた。最初は一緒に野球やテレビゲームを遊んでくれる息子が欲しいなどと考えていたが、妻の妊娠を知ったとき、そんな自己中心的な願いはすぐに吹き飛んだ。妻も子も無事で生きてほしい。そのためなら自分はどうなっても