june 11
心不全の病態と運動療法:なぜ必要か?なぜ有効か?どうおこなうか?から引用。
【心不全は運動療法は有効か?】
心不全の運動耐容能低下は、心不全の重症度を示す指標である。
心ポンプ機能障害
↓
代償機転
↓
神経体液性因子、RAA系と交感神経活性化、エンドセリン、サイトカイン、酸化ストレス
慢性的かつ過剰な活性化は心筋細胞肥大や間質の線維化といった細胞レベルで変化を起こし、心筋のリモデリングを起こす
【心不全における骨格筋障害】
Ⅱa(速筋と遅筋混合タイプ)Ⅱb(速筋タイプ)
【心臓への効果 左室機能 リモデリング】
運動療法の左室機能への効果は劇的ではなく、EF改善や拡張末期径の縮小は有意であるがわずかである。
増悪させることはなく、BNP低下などの効果が示されている。
【運動療法における冠動脈への効果】
側副血行路の発達や血管内皮機能改善をもたらす。
【運動療法による骨格筋への効果】
骨格筋の筋量及び筋力の増加、骨格筋ミトコンドリア量の増加、骨格筋線維型の正常化、骨格筋エネルギー代謝の改善、好気的代謝の改善、呼吸機能改善をもたらせる。
骨格筋における抗酸化酵素をはじめとする遺伝子発現が増加する。
【運動療法における末梢血管への効果】
内皮機能改善度と運動耐容能改善度が相関する
内皮機能改善:運動療法における末梢血管血流増加、ずり応力の増加の効果、血管内皮の一酸化窒素合成酵素の活性化による一酸化炭素が増加する。
一酸化炭素はミトコンドリアの生合成を増加させるという報告がある。
【運動療法における呼吸への効果】
運動時の換気亢進があり、VE vs VCO₂slopeが増加し、増加は予後不良である。
心不全患者の運動時換気亢進は、生理学的死腔の増加のほか、中枢のCO₂感受性の亢進による。
【運動療法における自律神経への影響】
運動療法は安静時および同一労作のHR低下とともに心拍変動を改善させる。
→交感神経の抑制及び副交感神経の活性化が関わっている。
さらに、圧受容器反射感受性も改善させることが知られている。
【運動療法における炎症反応への効果】
慢性炎症は、心筋リモデリングの進展に関わっている。
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