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秋がきて

時間だけが流れていて、自分だけが何も変わっていない。取り残されているような、そんな感じがしていた。
季節の移り変わりのおかげで、少しだけその状態から抜け出せそうな気がしている。

もう少し大丈夫になれたら、自分のことを許してあげられるのだろうか。

ぐうっと気持ちが沈んで、涙がぽとぽと落ちていって、ああ…またか。の繰り返し。
なにも悪くない誰かを責めてしまうのはもういやだ。

わかりあえないことくらい初めからわかっていた。それでも、ほんの少しだけでもよいからわかりたいと願ってしまった私が傲慢だったのだと思う。

ただ、それだけのこと。

割り切れないことも割り切らなくちゃいけなくて、どれだけ惨めな自分も受け入れなくちゃいけなくて、どんなに苦しくても生きていかなくちゃいけない。
そんなこと全部わかっている。わかっているけど解らないんだよ。

一度抱いてしまった感情を完全に消し去ることはできないけれど、秋の澄んだ空気の力を素直に借りられたら、心の濁りはうすらぐだろうか。

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