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セネカ 【人生の短さについて】

人生のその瞬間にすーっと引き寄せられるように読みたくなる本というのがあるのではないのだろうか。

社会人になってからあわただしく仕事をし、休みには多文化イベント、レストラン、キャンプなど仕事を忘れるくらい惜しみなく時間とお金を消費してきた。

特に不満があるわけではないがなんとなく、これでよかったのだろうか?と思うこともちらほらあったりした。

このタイミングでセネカのこの本を読んだのも、きっと何か自分自身感じることがあって手に取ったのかもしれない。

セネカは暴君ネロの家庭教師だということはしっていたが、詳しくは知らなかった。ネロの5年と呼ばれる比較的安定した時代を作った人としても知られている偉大な教育者であり、人格者であった。

読んでみて今も昔も人は変わらないことで悩んでいるとよくわかる。

時間がないと嘆いているのは時間がないのではなく、私たちが贅沢や怠惰の中で時間という最も尊いものを消費しているからに過ぎない。セネカの言葉を借りれば、

“人生が贅沢三昧の怠惰の中に消え去り、どんな有用なことのためにもつやさなければどうなるか。ついに一生が終わり、死なねばならぬときになって、我々は気づくことになるのだ” (人生の短さについて―引用)

私たちの中で、どれほどの人が自分の役割を知っていて、自分の人生に目的をもって生きているのか。生活はいろんな電化製品などを使って省略されて、楽になったけれども、そのできた時間を有効に使えているのか、ゲームやSNSで費やしていないかと聞かれると、そうかもしれない。そしてその消費は雑学にも当てはまる。

”その知識が、いったい誰の過ちを正してくれるというのか。誰の欲望を抑えてくれるというのか。誰をいっそう勇敢にしてくれるというのか。誰をいっそう正してくれるというのか。誰をいっそう自由にしてくれるというのか。”(人生の短さについてー引用)

この本を読んで自分の時間の使い方や接する人について考えるようになった。英語ではTime is Moneyという言葉があるが時間はお金では買えないほど高価なものである。自分の時間をお金に換算して考えているからそのような言葉になっているが実際は、流れてしまった時間というのはお金を払っても戻ってくるものではないからだ。

理想的な時間の使い方はセネカが言うようにこのような人たちと過ごすことにあるのかもしれない

”彼らのもとを訪れれば、帰るときにはいっそう幸福になり、自分をいっそう愛するようになっている。彼らのもとを去るときには、手ぶらで帰ることを許してくれない。そして夜であろうが昼であろうが、すべての人間が、彼らのもとを訪れることができるのである” (人生の短さについてー引用)

このような時間を過ごせることが幸せであり、そしてこのように人を幸せにできる人になることが人生のゴールではないかと考える。








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