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うちの掘り出し市

食材を買うときは、

「アボガドときゅうりのサラダ」なんてどうかな、「サーモンマリネ」もいいねえ、

などと、頭の中で会話しながらカゴに入れていくのに、帰る道のりで友人と会って子どもの話なんかしていると、帰宅した頃には、何を作るかなんて忘れてしまって、

「もうこんな時間!」

とあわてて冷蔵庫につっこむ。


当日は、かろうじて、サーモンマリネにたどり着いたとしよう。

翌日、アボガドの食べごろを案じながら、きゅうりとえのきとわかめの酢の物なんかにしてうっかりきゅうりを食べ切ってしまう。


アボガドの食べごろ(←これもまたけっこう判断が難しい)と思わしき頃に、「はて?」と首を傾げながら、スライスして醤油をかけてたべるとおいしいんだよね〜と食べてしまう。

食器を下げる頃に、「あ、きゅうりと和えてたべる予定だったんだ」と気づく。


そんなのを何年も繰り返し、ようやく最近、冷蔵庫に、なんのために買ったのか覚書をかくようにした。


私の場合、献立を決める決め手の約半分は“気分”なので、気が変わることもある。

でも、食材を余らせて、ごめんなさいな状況になることは減った、いや、なくなったに限りなく近い。


食器洗い用スポンジを交換するとき、毎回視界に入ってくる、コゲ取りスポンジ!

いつも、

「ああ、時間あるときに使いたいなあ」

と思って、しまう。


これ、食材買う時と一緒じゃん!と気づいた。


買うときは、

「あ、コレほしい!」

そういって、家に招き入れた。(招き入れたというワードにいつもカオナシをまねきいれるシーンを思い浮かべてしまうのは、私だけ?)


それなのに、ずっとこの戸棚に閉じ込めておくなんて、わたしってひどいな。


今日はちょっと時間があったので、長年愛用しているステンレス鍋をこすってみた。(アラビアンナイトを思い出してしまう)


コゲがみるみる落ちる!

半分だけ磨いてビフォアーアフターみたいにしてみたくなる。


「Wow、あなたって、まるでカガミだったのね」

ついに鍋に話しかけてる私。

いや、心の中で、ね。


よみがえった〜!(よみがえりって、ホラーのほうじゃなくて、こういうよみがえりもあるよね、当たり前か)


昨日、塾の忘れ物が展示されていた。

「うわ、すごい数の消しゴム!」

うちの、買ったくせに忘れていたものたちも、となりのテーブルに並べてみたらいい勝負なのかもしれない。




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河村 恵
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