短歌投稿66


母親に
虐げられて
泣きしこと
記憶の奥より
よみがへりたり


職人の
父に貸したる
スニーカー
一日にして
ぼろぼろとなる


抱へたる
虐待の傷
物語る
険しく光る
黒猫の眼は


B型作業所に通っている。
毎日、フルーツキャップを
折り畳んでいる。
作業中は皆、無言。
私はいたたまれず、定期的に
席を立ってストレッチをする。
十二時五分に終業となる。
清々しい解放感を感じる。
この瞬間を味わう為に
明日も私は作業所に通う。

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