私にとっての 贅沢な時間。

2025年、今年の正月は初めて夫とゆっくり過ごした。

昨年末の退職に伴い 残りの有給休暇を消化する為、私はクリスマス前(12/20)から仕事をお休みしていた。

1月の7日から新しいパートが決まっていたので、期間にして2週間ちょっと。
本心ではもう少しゆっくりしたかったが、経済的にすぐ働きに出る以外の選択肢はなかった。
これまでの年末年始、休暇は1週間。
正月の準備やら初詣、実家への挨拶など
いつもあっという間に過ぎていた。
それに比べると、今年は十分ゆっくり出来たと思う。

クリスマス前からお休みだったこともあり、クリスマスの準備もゆっくり出来た(初めてKFCを予約してみた)し
夫の実家にも2回ほど遊びに(という言い方は少々語弊があるが)行った。

正月は夫婦で初詣や買い出しに行ったくらいで、残りは通院以外の殆どを家の中でまったりと過ごした。
好きな時間に起きて
好きなことをして
好きな時間に寝る。

普段は夫がシフト制ということもあって、それまで2人のお休みが合うことはあまりなかった。
たまに合う休みの日は、家探しや保険の打ち合わせなどに使ったり
どちらかが有休を使って、月1のデートに出かけたり
本当に丸1日、2人でまったり過ごした休日は 殆どなかった気がする。

パートが始まれば、また(前ほどではないが)ゆっくり出来なくなってしまう。
だから、せめて今回の年末年始だけは
思いっきり好き放題に、2人でぐうたら過ごそうと(勝手に)決めていた。

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私は子供の頃から ゲームやアニメが大好きだ。
大人になってからは、そこに費やす時間が殆どなくなってしまったが
いつか好きな人と並んで、一緒にゲームをするのがずっと夢だった。

それまでは自分でプレイする時間がとれなかったので、いつもYouTubeのゲーム実況を見て 欲求を満たしていた。

特にあの有名なバイオハザード。
実況で見る分には楽しいのだが、どれだけ時間があったとしても
自分1人では怖くて絶対にプレイ出来そうにない。
それを好きな人と2人でやってみたかった。

夫と知り合ってから、お互い好きなゲーム(主にバイオやFF、テイルズなどのRPG)の話でよく盛り上がった。
抹茶に目がなかったり、生のトマトが苦手だったり
食べ物の趣味も似ている。
だからこそこうして今隣に並んでいるのだろう。
彼と出会えたことは、私の人生の中で 一番の奇跡だと言っても過言ではない。

退職前、ふととある芸能人の バイオ実況動画を見ていた。
それまで色々な人達の実況を見てきてはいたが、実況する人が変われば それぞれの違った面白さがプラスされる。

夫と2人で 涙が出る程笑いながら見たその人の実況は、退職までのストレスを紛らわせてくれていた。

私もやってみたい

あまりにも面白くて、楽しそうで。
見ていると自然とそんな風に思わせてくれる。

思い立ったら即行動。
色々調べた結果、結構昔の作品だったこともあり
私たちの環境でも ソフトさえあれば2人でプレイ出来そうなことが判明した。

中古で安い(200円くらいの)ソフトを購入し、年末のお休みに突入して
早速2人でプレイしてみた。
バイオハザード6。

ホラーゲーム実況は大好きだ。
ホラー映画も、怖い話も大好きだ。
けれども、いざ自分でプレイするとなると
夫と2人でもとても怖くて、コントローラーを握る手が汗で湿っていた。

1人怖い怖いとヒーヒー言いながら、ゾンビに銃を乱射しまくる私。
慣れた夫が冷静にカバーしてくれる。
難易度を低く設定していたこともあって、なんだかんだで 数日かけて本編を無事クリアすることが出来た。

ずっとやってみたかったバイオハザードを 十分堪能出来たので、次は少し平和に
RPGを2人でプレイしたくなった。
学生時代にハマっていたテイルズシリーズ。
どのシリーズも、最大4人まで協力プレイが出来る。

中でも、私が初めてプレイしたエターニアをやってみることにした。
シリーズの中ではかなり古いゲームだが、人気があるのか 別ハードで度々移植やリメイクされていたりもする。

しかし我が家にはPS2とPS3しかない。
あとはDSなど、Switchもポータブルしかもっていない為、2人でプレイするには 必然的にPSのソフト(しかも3までの)になる。

ソフトと攻略本は実家から持って来ていたので、懐かしいPSのエターニアを PS2でプレイすることにした。
一度クリアしていることもあり、あまり寄り道せずに サクサクとストーリーを進めていく。
早々にお風呂も済ませて、遅めの夕飯後
夜22時頃からゲームスタート。
明け方まで夢中になってプレイした。

まるで学生時代に戻ったかのようだった。

夏休みなどの長期休み中、時間が経つのも忘れて
次の日のことも気にせず
好きなことに夢中になれる感覚。

こんな感覚は 何年ぶりだろう。
それこそ20年ぶりくらいか
なんなら親に「早く寝ろ」だの言われない分、当時よりも自由に楽しめている気さえする。

それは私にとって、最高の贅沢となった。

特別お金をかけることなく(電気代くらいか)、こんなにも贅沢を味わえるなんて。
私の心は満たされていた。

1月7日からの、新しいパートが始まるまでは。

私は再び現実に戻されて
あっぷあっぷと、水面下から必死に息継ぎをしながら
世の中の辛い荒波に溺れそうになっている。