「治る」ということ 私の伝え方 「うつ」はどう良くなるのか その2

|「治りますか?」への私のこたえ|
「治りますか?」に対する私の返答は多くの場合、<良くなります>です。
 
<今の苦しい状態は必ず良くなります>
<「治る」という言葉は「うつ」にはちょっと使いにくいです>
<「元通り、何もなかったようになること」が「治る」ことなら、そうはなりません>
<でも、今の苦しい状態は必ず良くなります>
<良くなった後に繰り返さないための工夫を続ける必要があります>
<人によるとそれを「治った」という人もいるかもしれません>
といった説明をします。


|メンタルの課題は「治る」「良くなる」だけではない|
もう一つ、私が必ず伝えるようにすることは、
<良くなった後に、このことを通じて必ず得るものがあります>
ということです。
これは、つまずきを肯定的に利用する「失敗学」や、
プロジェクトマネジメントの分野で言われる「Lessons Learned;学んだ教訓」という捉え方です。
「PTSD(Post Traumatic Stress Disorder;心的外傷後ストレス障害)」となるような深刻な傷つきに対しても、
そこから回復して成長するもの「ポストトラウマティックグロウス(PTG、Posttraumatic Growth;心的外傷後成長)」を探していく。
そういった姿勢が働く人のメンタルヘルスにおいては、特に大切だと考えています。
 
|実際に伝えるときには|
でも要注意なのは、そういった成長は、回復してしばらくしてから得られるものだ、ということです。
回復途中や、まだ疲弊している時に学びを迫って鞭打つようなことは厳禁です。

なので、Lessons Learnedについて伝えるのは、早くても復職を検討し始めるようなタイミングとなってから。
または回復して半年くらい経った後に、
<今回のこの経験からどんな学びが得られましたか?きっとタフになったことがあると思うのだけれど?>と面接で振り返ります。
このLessons Learnedについて振り返れた時が、<回復した>ということになるのかな、と思っています。
 
この項ここまで。

「うつ」はどう良くなるのか
その2
https://note.com/modern_serval857/n/n6c50683b0451
その1
https://note.com/modern_serval857/n/nb0137792db09 

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