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年齢に縛られない転職体験をつくる――新規事業「インクルー」の挑戦

私たちの目指す世界は、年齢や学歴、性別等の表面的な情報にとらわれず、経験やスキルが正当に評価される社会です。インクルーがその架け橋となり、企業と求職者がより深く理解し合えるプラットフォームをつくっていきたいです。

株式会社エイジレスは「年齢によるしがらみをなくす」をコンセプトに、誰もが何歳でも挑戦・何歳でも活躍できる社会を目指すスタートアップ企業です。

今回は、エイジレスの新規事業として正式リリースを目指し奮闘中の、SIer/ITコンサル特化の転職プラットフォーム「インクルー」の開発メンバー3名に、プロダクトのビジョンや概要を伺いました。

網頭 翔真 | 取締役CTO
1995年生まれ。慶應義塾大学卒業。 dely/カウモ/CUEBICでのインターンを 経て、個人でwebメディアを複数立ち上げ売却、及び個人でチャットボット システムを開発し上場企業に事業売却。その後株式会社PKSHA Technologyでエンジニア兼マーケターとして子会社プロダクト責任者を務める。2021年に株式会社エイジレスを設立、取締役に就任。二児の父。

本間 雄治 | インクルー事業部 プロダクトグループ フロントエンドエンジニア
1995年生まれ。慶應義塾大学卒業。SIer企業でWeb,モバイルエンジニアとしてアプリ開発に従事。その後モバイルアプリ開発のテックリードに抜擢。自社サービスを愛情込めて育ててみたいという思いから2023年11月エイジレスにジョイン。最近クロスバイクでサイクリングしているけど、本格的なロードバイクを買おうか検討中。

栗田 学 | インクルー事業部 プロダクトグループ リーダー
1992年生まれ。中央大学卒業。新卒はエン・ジャパン株式会社に入社。その後、SES会社に入社し、エンジニアとして25歳で独立。不動産、マッチングサービス、IDaaSなど、様々な業界を渡り歩いた後、2024年7月よりエイジレスにジョイン。
最近の悩みはペットの文鳥に求愛されすぎて仕事に集中出来ないこと。

「インクルー」の開発背景と思い

───まず、インクルーのコンセプトについて教えてください。どのような思いや経緯からこのプロダクトを始めたのでしょうか?

網頭:根底にあるのは、エイジレスのミッションである「年齢によるしがらみをなくす」という考えです。その上で、既存の人材事業を通じて課題と感じていた「年齢ではなく、経験やスキルが正当に評価される転職体験をつくりたい」という思いから、インクルーはスタートしました。

実力が可視化された、国内最大のSI人材データベース」を事業ビジョンに、個々のスキルを可視化し、企業と求職者がより深く理解し合えるプラットフォームをつくりたいと考えています。

───インクルーというプロダクト名は、どのような由来なのでしょうか?

網頭:プロダクト名は社内公募で募ったのですが、新規事業ということで社内の関心も高く、たくさんの候補が挙がりました。その中から、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)の"inclusive"(包摂)、"in crew"(仲間に)、そしてプログラミング言語で使われる"include"(外部から取り込む)という3つの意味が込められた「インクルー(INCREW)」という名称を採択しました。

網頭(写真左)、本間(中央)

「スキル可視化」による転職体験の発明

───転職プラットフォーム、さらにはエンジニア特化のプロダクトは他にもあると思います。どのような特徴や差別ポイントがあるのでしょうか?

本間:確かにそうなのですが、既存のプロダクトはWeb系人材を中心としたものが多く、SIerやITコンサル職種に適したものはありません。経験やスキルも正しく伝わりにくく、結局は年齢や学歴等の表面的な情報で判断されてしまっています。

インクルーのコアコンセプトである「スキルの可視化」は、この課題解決につながる、他にはない価値だと考えています。

───スキル可視化とはどのような機能で、どのような有用性があるのでしょうか?

栗田SIer/ITコンサル業界に特化したスキルやプロジェクト単位での経験を登録できるようにしています。SIer業界は非常に複雑で、プロジェクトごとに異なる役割や技術が必要になるため、スキルを正しく可視化することはとても難しいです。それでも、どのようなプロジェクトに関わりどのような役割を果たしたか、それによって得られたスキルは何かがわかるフォーマットにしています。

また、スキルの分類や精査を進めており、スキルタグやレーダーチャート、経験領域や強みが一目でわかるようなアウトプットも開発していきます。マーケットにおける自身の価値や、逆に伸びしろも目で見えるので、キャリア形成の観点でもご活用いただけると思っています。

───クライアントワークが中心のSIerやITコンサルの方にとって、スキルの可視化はとても重要ですね。

本間:そうなんです。私自身、転職は一回ですが、自分の経験を書類や面接でうまく伝えられているかな?SIerだと答えにくいポイントを深掘りされたりしないかな?という不安を感じていました。

業界の特性に合わせ、経験やスキルを可視化できるプラットフォームは、自分の価値がうまく伝えられず転職や活躍の機会を失っている人をはじめ、多くのエンジニアにとって大きな助けになると思っています。転職体験を発明する、そんな気概で取り組んでいます。

企業と求職者の相互理解を促進

───スキルが可視化されることによる、企業側のメリットはありますか?

栗田:企業は候補者の具体的な経験やスキル、強みを深く理解できるようになりますし、その候補者にどう活躍してもらいたいかイメージを持った上でスカウトを送ることができます。

───活躍のイメージを持ってスカウトする、というのはどういうことでしょうか?

栗田:例えば、企業側は「このプロジェクトにこのスキルを持った人が必要だ」という明確なニーズを持ってスカウトを送ります。そうすることで、候補者にとっても自分がその企業でどのように役立てるか具体的に伝わりやすいんです。ただの大量送信ではなく、お互いに価値を見出せるスカウトを目指しています。

カジュアル面談の前に、お互いの理解や期待値が醸成されていて、面談はそれを深めていく時間にできる、そんな世界感が理想です。

開発のこだわりと手応え

───他に、ユーザー体験の改善について工夫をされていることはありますか?

本間:登録プロセスをシンプルにし、誰でも簡単に経験やスキルを入力できるようにしています。今後はさらに、自動化やデータ分析により、なめらかなユーザー体験に注力していく予定です。

ユーザーインタビューも積極的に行っており、50人以上のインタビューを通じてプロダクトの改善をはかっています。

───実際のデータやインタビュー結果から、どのようなことが分かってきましたか?

本間:実は多くの方が転職市場に詳しくなく、自分のどのスキルをどう表現すると市場価値が高く見えるのかわかっていない、ということがわかりました。これを受けて、自分のスキルをどう表現するとチャンスがあるのか、直感的にわかるインターフェースへと改善しています。

また、企業側からも「職務経歴書ではその人を適切に表すスキルを判断するのが難しい」という声があったので、スキルを体系的に整理する仕組みも強化しています。

───正式リリースはこれからですが、現時点での手応えはいかがですか?

網頭:課題はたくさんありますが、想像以上にニーズが大きいなという感覚です。β版をリリースしてすぐ、SHIFT、アバナードのような中堅〜大手クライアントに利用いただけましたし、伊藤忠テクノソリューションズなど、インクルーをきっかけに当社との取引を開始いただいたクライアントもいます。

求職者側のユーザーも、前述のインタビューに快く協力いただいたり、インクルーのようなソリューションを求めていたのだなと実感しています。

「インクルー」が目指す未来

───ロードマップはどのように描かれていますか?

網頭:プロダクトを構想したのが昨年の秋頃で、そこから半年と少しかけて今年の6月にβ版をリリースしました。8月にリリースしたスカウト機能が一つの山場で、プロダクトとしての0→1を終え、サービスとしてはこれからというのが今です。

開発視点では、目玉である「スキル可視化」を目に見えるアウトプットでプロダクトに実装するというのが、次の大きなマイルストーンです。これが実現できると、プロダクトとしても正式リリースといえると思うので、来年のできるだけ早いタイミングで実現したいと考えています。

ただ、マーケティングやユーザーサクセスの向上など、やらなくてはいけないことは山ほどあるので、走りながら描いていくというのが実情です(笑)

───最後に、今後の展望について教えてください。インクルーはこれからどう進化していくのでしょうか?

栗田:僕自身もSES出身なので、自分事としてこのプロダクトに向き合っています。ハードスキルだけでなく、マネジメントスキル等のソフト面もできるだけ可視化し、必要なスカウトが必要な人にだけ届くような、想像を超えたマッチングを実現していきたいと考えています。

本間:私たちの目指す世界は、年齢や学歴、性別等の表面的な情報にとらわれず、経験やスキルが正当に評価される社会です。インクルーがその架け橋となり、企業と求職者がより深く理解し合えるプラットフォームをつくっていきたいです。

網頭:今後は、生成AIやデータ分析技術をさらに活用してスキルの可視化精度をより高めていく予定です。そして、SIer/ITコンサル特化の転職プラットフォームとしてマーケットの第一想起を獲得したいと思っています。
ただ、これらの実現には強力な仲間が必要です。SIer業界やエンジニアの当事者として、ビジョンに共感してくれた方は、共に課題解決に取り組んでいただけると嬉しいです!

栗田(写真左)、本間(中央左)

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