過去の私の作品㊴
生温かく、湿った空気が肌を重くを蒸し暑い季節なのに、今の私の心の中には真っ白で寒々とした景色が広がる…。
どこまで行ってもまっさらで果てしない。
寒くて、心細くて目を背けたくなる…。
眩しさと寒すぎる美しさに背を向けたくなる…。
降り積もったもので美しくデコレーションされた地面を汚してしまいそうで、一方踏み出す勇気が持てない…。
寒さに凍えて一人で立っていられない…。
強い風を受けてよろめてしまう…。
もう止めてしまおう…。
あきらめかけたその時、何かを感じた。
眩しさと強い風で霞んでしまった私と
躊躇している一方踏み出そうと私の腕を力強く優しく温かく掴み促す大きな何かを確かに感じた…。
こんな想いも生まれた。
この一方踏み出したら、きっとそのうち何かにぶつかる、何かを踏んで後悔する。でも始める前にやめたら何も変わらない。
もう諦めることをやめなくちゃ…。
そう自分の思いに寄り添えた時、白いだけだった景色に少し遠くの景色がぼんやりと見え始めた。