少ない欲でも生きてく
心療内科で配られた用紙。
50近い質問が並んでいて「お家でやってきて下さい」とだけ先生に言われた。
「私の野望は〜」の欄だけなかなか浮かばない。
「たまには人の役に立って天寿を全うすること」
「好きな人達と美味しいねって笑いながらごはんを食べること」
なんだか野望らしく無いけど、わたしの野望(心から望むこと)。
歳の割に欲の少なさを気味悪がられたり、欲の平均点に満たない事を「意欲のない扱いづらい人」と評価されたりして、笑っていても何だか心は満たされない20代を過ごした。とにかく目の前のことを、今日を無事終えることが目標で、将来のことなんて描ける余裕もなかった。
だけど嵐に飲み込まれて流されるところまで流されたら、違う世界にいた。似たような人達がいて安心できる場所があって、見えない存在を感じられるようになった。
「人生を彩るのは明るい色だけではない。苦く苦しい暗い色もあるからこそ奥行きがうまれ見事なものになる。」今年、遅れてひいたおみくじにそうあった。
「ああ、わたし将来も生きていくんだな」って思えた。