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境界戦機感想 第2話「ご都合主義と笑わば笑えぬ」

どうも皆さんこんにちは。
最近ミリオンライブの先行上映を見て脳がフットーした果汁先輩です。
境界戦機の女がどうにも可愛くないのに比べてアイドル達は顔が良すぎて感動しましたね。
フル3DCGでしたが違和感なくアニメとして成立していた作品でしたし、第二幕が9/8上映という事で見に行かなければなという所感です。

関係ない話は置いておいて、占領された日本に立ち向かうアニメ、境界戦機の第二話について語って行きたいと思います。


①なんか分からんけど解決したからヨシ!〜展開と描写があまりにも無茶苦茶〜

アバンタイトルにて何やら有人機の新型アメイン、メイレスケンブについて興味深そうに話す北米軍の軍人ブラッド・ワット大尉が描かれますがどうでもいいので割愛。

OPを挟み、どうやらオーストラリア軍から逃げおおせたようで、アメインに乗り追跡をかわしつつ移動するアモウとガイ。動かし慣れてない中森の中を進ませる事に不満を言うとガイに「嫌ならアメインを捨てるか?」と問われると「絶対にしない!俺が組み上げたんだから!」と言い放つアモウ君。
既に優先順位が追撃振り切って逃げる事や平穏に生きる事より、自分が他所様の廃棄パーツかっぱらって他所様の廃工場で組み上げたアメインを占有する事が上になっている辺り前回からクレイジーなキャラとして一貫して描写されていると言えなくもないですかね?

少し会話があった後、オーストラリア軍との戦闘時、1話の最後の直後の時系列の回想か始まります。

敵のアメインは撃破したものの人質を取られ投降しなければ一人ずつ殺していくという相手の脅しに対して、
「人質達は自分がパーツ集めの為に利用していただけでもう用済みになっている事」「人質には何も教えておらず尋問しても無駄、本命のテロリストを逃がし無実の人間を尋問したと世界の笑い者になるだけ」等とオーストラリア軍人に言ってから逃げた結果、人質のテロリスト容疑は晴れ、保護観察処分で済みました。

ふざけてんのか?

手柄が欲しいから疑わしきを罰する事になってもテロリスト容疑者を捕まえて成果を上げる!って宣言してた軍人がなんでテロリストの言う事鵜呑みにしてそのテロリストと何度も交流があった人間をしょっ引かないんだよ

おまけに回想の前にガイは「あんな風にオーストラリア軍に啖呵切ったんだもんな!」みたいな事言ってたけど喋ってたの全部お前じゃねぇか!

こういう良くて1話前とか、悪くするとその話中の描写や発言間の整合が取れなくなるのが境界戦機の凄い所なんだよな。

さらに言うなら「そして俺は指名手配…テロリストじゃないのに」みたいにアモウはボヤいてるけど1話でお前がやった事ほぼ端から端までテロリストのそれだぞ。

②性根がまっすぐなら野菜盗んでもいいのか?〜罪悪感が希薄過ぎる主人公とそれを許容する世界〜

そんなこんなでひとまず四国から本州へ、オーストラリア勢力圏の外まで逃げる為に海沿いまでたどり着いたアモウ君。
食べられる木の実だけでは量が足りず空腹に困り、何か食べ物を探して山の中を歩いていると、トマトの実った畑を見つけます。

「トマトが成るような時期に長袖って暑くないの?」とか思いましたがこのアニメに季節感なんてものはありません。2060年の日本には四季は無いのでしょう。

ともかく、美味しそうなトマトと空腹に負け、(本当は良くないけど、事情が事情だし)と言い訳がましくモノローグで語りながらトマトを口に入れようとした所、畑の主らしき老人に見つかってしまいます。

指名手配されてる中軍や警察(実質分割支配されているはずの境界戦機にも警察はあり日本人が従事している)にでも突き出されたら困ると思ったのか平謝りをするアモウ君に対し、なんとも都合良く、「働かざる者食うべからず、畑仕事を手伝ったら見なかったことにしてやる」と申し出をする老人。

身体を動かして土の匂いを嗅ぎ、畑仕事をする楽しさやコンビニの食事じゃない人の作った食事の暖かさなど境界戦機的安っぽいありがたい道徳みたいな話をしつつ、占領支配された日本に突然来た来客に振る舞われるにしてはやたら豪勢な料理を振る舞われながら老人夫婦と触れ合うアモウ君。

占領下の日本の食事か…?これが…

というかそもそも老夫婦のイメージが昭和過ぎるんだよ!
2060年に80歳だとして2023年現在40代とかだろ!?
今40代のおっちゃん達が老後に入ったからってこんな古き良き故郷的田舎暮らしするとは思えないんスがね!

というのは置いておいて、老夫婦の家で食事に風呂に寝床に至れり尽くせりのおもてなしを受けるアモウ君。

そんな中、流れているテレビから自身の写真と共に逃亡中のテロリストのニュースが流れます。
これはまずいと思ったアモウが言い訳するより先に、老夫が口を開きます。これも都合よく整備はしているけど使ってない漁船があるからそれを使って逃げろとの事。
なんでも、「どんな事情があるのかはしらないが、畑であんなに平謝りする奴はいない、大抵は逃げていくか悪態ついてくるかのどちらかだ。しかも手伝えといえば素直に手伝った、それを見てこいつは曲がってない奴なんだと思った」だそうです。

いやいや待てよ…
流石に主人公に余りにも都合が良すぎます。
境界戦で息子が死んだ事から、占領軍に対して深い恨みがあってテロリストを支援したかったとしてもやり過ぎな位ですよこれ。

野菜盗んだの咎められて謝った後、見逃す条件付きの指示に従っただけで性根の曲がってないいい奴認定とかなろう系とかでもこんな展開ないでしょ

その後町の駐在さん的な人に存在を怪しまれた結果、このまま老夫婦の世話になっては迷惑がかかると考え、早朝早くに漁船を借りて本州を目指します。

その際「借りるなんて言ってるけど盗んだようなもんだから悪い気がして…」等と抜かすアモウに「指名手配犯のテロリストが何言ってやがる」と言ってましたがまぁその通りですね。

自分の行いで罪重ねてる意識がなさすぎなんだよコイツ!
コイツの脳内じゃテロリストの疑いかけられたのも指名手配なったのも野菜盗みかけたのも船盗んだのも状況のせいでしゃあないっしょ?みたいに思ってんだろうな!

てか客観的に見てテロリスト匿って風呂飯寝床に逃亡用の船まで与えた老夫婦がその後特になんの追求も受けずに済んでるのもおかしいと思うぞ!

③終わりに〜その後の話とまとめ、何故こんな作品になるのか〜

船に乗り港近辺まで接近すると中国軍の迎撃を受け、大量の中国軍のアメインと戦って多勢に無勢でやられそうになったときに、謎の援軍に助けられた所で第2話は終わりです。

今回の話見ると改めて、主人公の都合良いように人や物事が動きすぎだと思いましたね。

パーツ漁り仲間が保護観察で済んでるのといい、老夫婦が何事もなくその後暮らしている事といい、不自然に主人公の関係者が守られる流れになる事が目立ちましたが、これって「主人公の行動のせいで戦闘力のない一般人が巻き込まれちゃった!」的な主人公の罪的な要素を描写したくないからだと思うんですよね。

ネタバレ込みの話になりますが主人公の身近な人間が傷つくパターンって、リサさんの故郷の連中はアモウ君の行動とは関係ない所で被害に遭ってるし、リサさんもトライヴェクタの施設の人間も悪い敵が襲いかかってきたせいで、主人公の行動がどうこうって感じじゃないですし。

パーツ漁りに野菜盗み船盗みハッキングをしての身分偽装に電子通貨偽装、テロリストとして以外のこういった犯罪行為に関しての内外からの罪の評価も作中で徹底して排除して描写されています。

なので客観的に見たら色々犯罪犯しまくってるアモウ君が、作中だとなんか自分厭世的なだけのごく普通の小市民ですよ?みたいな風にある種堂々としている。

個人的に自分が境界戦機で一番気色悪いと思ってるのはこの辺ですね。やっぱり自分が評価するキャラの善悪と作中で下される評価が一致しないと見る側としては困惑するしかありません。


今回の感想はここまでになります。
第2話はアモウに都合良く物事が起こる為に全体の整合性が犠牲になった回と言えるでしょうか。

まぁ今後もこの程度の事は日常茶飯事になっていくんですけどね。

続く第3話は日本開放のレジスタンス組織、八咫烏と邂逅し、話は展開を変えていきます。感想も頑張って作って行きたいなと思いますので応援よろしくお願いします。

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