境界戦機感想 第3話「ある意味、境界戦機の象徴とも言える組織八咫烏」
第3話にしてとうとう前置きで書く事が無くなってしまいました果汁先輩です。
第2話はなんか主人公に都合良く展開や世界が動きすぎじゃね?みたいな話をしましたが、
今回の冒頭も都合良く大ピンチに助けが来た所から話が始まります。
①クールと態度悪いのを履き違えて作ってない?〜2号機パイロット手塚ガシン〜
前回決して足並みを乱さない規律された隊列が強みだとか言われていたのに、狙撃されても棒立ちのなすがままで7機ほどいたアメインが全機撃破されてしまいます。
その中国軍を狙撃していたのが、境界戦機にて2機目のメイレスとなる狙撃特化タイプの機体、ジョウガンに乗る少年、手塚ガシンでした。
そのガシンはアモウと通信で連絡を取り集合地点を教えると、チャフ付きスモーク弾でアモウの撤退を援護し、2人は逃げ延びる事に成功します。
その後指示された地点で落ち合い、ジョウガンにもガイと同じ自立思考型AIが搭載されている事がわかりますがどうでもいいので割愛。
都合良く放棄されて見つからない秘密の地下トンネルをアメインを載せたトラックで移動中、アモウはガシンに話しかけるのですが…
「君(付けで呼ぶの)はやめろ、気持ち悪い」「お前馬鹿か?」等どうにも言葉が刺々しい対応が帰ってきます、
なんかさぁ
わけわからんぐらい都合良く親切なのは世界観的にというか作品的に見てアレだけど、理由もなく口や態度が悪いのはキャラに焦点当てた時にクソだと思うんだよね
なんでこうよしなにやるっていうのが出来ないのかねぇこのアニメは?
これで本人が有能かつ厳しく自分をコントロール出来るタイプならまだ一貫する所も出てくるのですが、
パイロット歴は他2人のメイレスパイロットに比べて格段に長い筈なのに活躍はそう変わらない上に、
親の仇を見た途端ブチキレて冷静さを失う、旧知の中の人間がスパイ行為をしている事実を拒絶する等、レジスタンスの活動の中ですらまともに冷静でいる事もないのですから、まぁ単に口が悪いだけで割と無能よりで、判断力も乏しい人間っていう一緒に仕事したくないタイプの人だなぁって感じですよね。
まぁ他2人のメイレスパイロットであるアモウはサイコ、シオンは個性薄すぎてなんにもわからないキャラなので相対的にはガシンでもマトモなキャラですが。
見かけ上は作中のラスボス的存在とも因縁があり、クールっぽい雰囲気とロボットアニメっぽいキャラの風貌をしている事もあって、ガシンの方が主人公っぽいとか言われてた覚えもありますしね。
②どこまでもズレてんなこの主人公〜戦う理由が無いと言いながら足抜けする気も更々無い主人公〜
その後、八咫烏の部隊が潜伏しているキャンプ地に到着し、隊長の熊井と会話をするアモウ。
熊井隊長の話として
「アモウが組み上げ乗っていたアメイン、メイレスケンブは元々八咫烏が受領し使用する手筈だった物である事」
「いきなりケンブを取り上げるのも酷なので、アモウの意志さえあるならば、八咫烏に加入しケンブに乗って戦って欲しい事」
がアモウに伝えられます。
それに対して、「今は無人機相手だからいいが、八咫烏に参加して戦う内にいすれ人を殺す事になるのではないか」というここまでやばい行動しかしてなかった癖に常識的な不安を吐露するアモウ。
そんなアモウに対しガシンは、「今も日本人が犠牲になっている、ケンブはそれを助ける力になるのに 使うのをためらうな」と怒りだし、その場から立ち去ってしまいます。
その後も結論を出せないまま、「八咫烏に参加するのが嫌なら機体は預かるが、一般人として身分を変えて別の場所で生きていけるように手配する事」を選択肢として告げられ、しばらく考えるように言われ、話し合いは終了します。
指名手配から逃げてる身からしたら願ってもない申し出に見えますが、未だどちらかを決められず悩んでいるアモウ。
八咫烏構成員の女性であるリサが話しかけると、アモウはリサに八咫烏に参加した理由を聞きます。
自分以外の家族が中国軍の軍用車との交通事故で死に、中国の圧政により過失もないのに賠償金を背負う羽目になった事から、日本を取り戻すため八咫烏に参加したと語るリサ。
対してアモウは両親は既にこの世にいないがリサが被害に遭ったような圧政や占領軍の悪行とは関係なく死んでいる等、自身には戦う理由がない事や、
機体を組んでいたのも遊びのつもりで楽しかったからであり、1話でのオーストラリア軍との戦いもドキドキして楽しかったが、2話での戦いでは死にかける目に遭い、戦うのが怖い事を語ります。
しれっと自分の命の危機のない所の戦闘は楽しかったとか語る辺りがもうヤバいですね。知り合い人質に取られてたんだが…
というか戦うの怖いアピールする割にはケンブ譲って一般人として暮らす選択肢を選ぶ素振りも無いっていうね。
もう展開ありきで話作ってるって感じが酷い
明らかに足抜けを選ばない道理がないじゃんこんなの…
③ゆるゆる組織八咫烏〜アモウ君トレーニング編〜
リサと話をした翌朝、アモウを叩き起こすとトレーニングを行う事を強制するガシン。
ダッシュ多くね?とか腹筋崩壊背筋とかじゃなくてもっと名前見てわからんような筋トレメニューみたいなのやらないのかな?とか思いましたが詳しくないので口を挟まないようにしておきます。
とにかく、トレーニングを終え当然の権利のようにアモウにも食事(おそらく夕食)が振る舞われている所、周りの八咫烏団員達が群がり、アモウに足りないなら自分の分も食べろと話しかけて来ます。
これマジでテロリストだかレジスタンスだか知らないけどそういう活動の事舐めてますよね
初代ガンダムでパイロットやってたアムロとリュウにだけ食事が多いと文句をこぼすカイとか、子供の飯を目を盗んで奪う老人とか、
ZZでなんとか協力してもらおうと渡された食事をジュドーがあからさまな買収に怒って跳ね除けて、床に落ちたそれをシンタ、クムが拾ってる場面とか、
ガンダムAGEのイゼルカントの屋敷で来賓待遇のキオに振る舞われたショボい料理と、下町のルゥ兄妹の家で振る舞われたさらに貧しい料理とか、
なんかこう、余裕のない組織の台所事情が見える食事描写ってもうちょっとこう…あるだろ!
素性も良く知らん八咫烏に入るとも決めてないガキに自分等と同じように食事も着る服も寝床も与えられてるのはむしろ文句の一つも出てもおかしくない所だと思うんですよね。
まぁ日本の貧困描写すらロクに描けないのにレジスタンス組織の貧困描写なんか描けるわけ無かったな。
④その後の話とストーリーのまとめ
そんなこんなをした後で、八咫烏の人達は悪い人じゃないからついていくと決めるアモウとか、八咫烏からの物資で完全仕様になるケンブとか、高度な情報戦(原文ママ)でレーダーや監視衛星が無効化されてるのでバレないから模擬戦をしたりとかしていると、謎の爆発が起きます。
その爆発は本作における1期2期共にラスボスの立ち位置になる正体不明のアメイン、ゴーストなのですがこのゴーストも中々悪い意味で境界戦機の象徴的な存在なのですが、本格的に暴れるのは次回なのて次回話します。
ということで今回の感想はここまでになります。
なんとも緩い、過酷さも真剣さも感じないので「ホントにこいつら日本解放する気あるの?」と言いたくなるような雰囲気だった八咫烏ですが、最後まで割とこんな空気のままやっていくことになります。
2話の感想で、アモウ君になるべく瑕疵を負わせない作りのせいで話の展開がおかしくなっている、的なことを言ったと思いますが八咫烏にも同じ事が言えますね。
占領軍をブチ殺したり、基地を壊滅させたり、レジスタンス活動に民間人が巻き込まれて恨みを買ったりもしないし、曲がりなりにも存在する現政府や、2060年にいるかどうかはわからないにしても自衛隊のような日本の組織と対立する事も八咫烏は主人公の味方で正義の組織なのでしてはいけない。
そういう制約を話を作る上で課して行った結果、こんな緩い空気が形成され、しかもストーリーははかえって最終的にとんでもない着地点に向かうのですが、それはまたいずれ来る時に話したいと思います
次回は突如現れた謎のアメインゴーストとの戦闘が始まる第四話について語りたいと思います。