歌詞オタクが語るJ-POP ~宇多田ヒカル「Automatic」~
INFPのみずがめ座女子大生が、ひたすら J-POPの歌詞について語ってます。
皆さんこんにちは!今日は風がものすごく強いですね(T_T)
本日は、日本の音楽シーンに衝撃を与えた宇多田ヒカルさんの「Automatic」について語ってみようと思います!
楽曲「Automatic」について
「Automatic」は、1998年に発売された宇多田ヒカルさんのデビューシングル「Automatic/time will tell」のタイトル曲です!同作はダブルミリオンを記録し、華々しいデビューを飾ることとなりました。
驚くべきなのが、当時宇多田さんは15歳!!10代と思えない色気のある声と、グルービーなサウンドに日本中が虜になりました。
さて、本日取り上げる「Automatic」の歌詞についてですが、ひとこと言わせてください。。。
これ15歳が作詞したってどういうことー!??!!???
なんでそんなに艶っぽい歌詞が思いつくの?涙
本当にすごい感性ですよね!
1998年に発売された楽曲ですが、2023年に聞いても色あせておらず、むしろおしゃれに聞こえます。それでは!
”受話器”というパワーワード。ベルが鳴っている受話器を取る、という日常生活の動作なのに、すごく引き込まれます。「名前を言わなくても声ですぐ分かってくれる」という部分からは、少女のちょっとませた感じが伝わります。「いや、名前とか言わなくても分かってくれるんで()」という優越感!ちょっと生意気でかわいらしいですよね。
「Automatic」が発売された1998年って、まだ固定電話が主流だったのか?と気になって、ちょっと調べてみました。
まさに、携帯電話が普及し始めた時だったみたいですね!個人的に携帯電話が普及する前と後では、J-POPの歌詞も大きく変わったように感じます。
この「Automatic」は、本人以外の家族が電話に出るかもしれない!という固定電話のドキドキ感を留めた作品だといえます。
来ました!神パート!!泣
一通りお互い話したあと沈黙になって、頭に浮かんだメロディーをふと口ずさんでいた。でも、「言葉を失った瞬間が一番幸せ」ということに気づく。
そうなんですよ!結局、言葉を介さなくても心が通じ合ってるって、人間の一番親密な関係だと思いませんか?このパートからは、宇多田ヒカルさんの「語らないことで多くを語る」というか「語らない美学」みたいなものをひしひしと感じるわけです。この真理に15歳で気づいていた宇多田さん恐るべし。
先ほどまでの大人びた歌詞とは対照的に、この部分はすごく無邪気です。
「君に会うと全部嫌なことフッ飛んじゃうよ☆」という子どもっぽい明るさを感じます。曲全体として、大人っぽくなりすぎないようにバランスをとっているのでしょうか。
この部分、あまり日本語ぽくない歌詞ですよね!(英語があるから当たり前ですが)心情の表現方法全てがおしゃれで海外育ちなのが伝わってきます。
そして、”自動的”というワードが出てきましたね!タイトルの「Automatic」は日本語に訳すと「自動的に、無意識的に」となり、あなたの声を聴くと自動的に心が晴れるということになります。ここも、余計な思考が介在していない感じがすごく妖艶だと感じませんか?15歳という若さもあいまって「頭脳ではなく本能」に近いところで恋している様子がにじみ出ていますよね。
サビです!ここは結構直接的な歌詞になっています。
”Noとは言えない”という歌詞が、若い二人の間に流れるヒリヒリとした空気感を物語っています。刺激的で最高なサビです。
”Paradiseにいるみたい”って、日本育ちだと絶対思いつかない歌詞だと思いません!!?多分日本語的に考えると、”夢の中にいるみたい”的な表現になると思うのですよ。。ところどころの英語の単語の使い方が、この楽曲のおしゃれさを底上げしていると思います。先ほどの”ドキドキ”とここの”キラキラ”を並列しているのも、キャッチ-で耳に残ります。
2番は少し心の不安定さを感じる歌詞で始まります。思春期ならではの、「相手は自分のことどう思っているんだろう」「あの言葉どういう意味」という、考えても考えても答えの出ない問いを永遠に考え続けて情緒が不安定になる様子が表現されています。この部分は歌っていても、音程が流動的で難しいですよね。。
ですが、こちらもやられてばかりではいられませんので!曖昧な態度をとられた仕返しとして、”こんなにほれてることはもう少し秘密にしておく”わけです。やはり、茶目っ気があってかわいいですね。
好きな人からのやさしさがつらいってどんな時なんでしょうか?あくまで想像になりますが、「ここ行きたい」「電話したい」って言ったときに恋愛感情があるかはわからないけど、優しいからOKしてくれる人っていますよね。そういう人からのやさしさって多分辛いですよね、、でもその人は「自分もあなたと行きたいんだよ」「自分も電話したいと思ってたよ」みたいなことを本心で言ってくれるのが分かるから抜け出せないってこと?沼じゃん。
ひとりじゃ泣けないっていうのは、二つの捉え方ができるような気がします。一つ目は物理的に一人では泣けない、あなたの前じゃないと涙は見せられない(心を許せるのはあなただけ)という捉え方、二つ目は、あなたのことことを想ってでしか泣けない(自分のことでは泣けない)という捉え方。
どちらも考えられますね~。奥深い。
”ほらね”からは少女のあどけなさも感じます。
やっぱりこの楽曲、幼さと大人っぽさのバランスが絶妙!
二番のサビもちょっぴり刺激的ですよね。側にいる君を意識して、体温が上がっていく様子が鮮明に浮かび上がります。
”ハラハラ”という擬音語も、ドキドキよりももっと危険な香りがして素敵です。
来ました!オシャポイント!
急なネイティブ”computer screen”!これで一気に楽曲があか抜ける気がします。この”computer screen”ってどんなパソコンの画面なんだろうと気になって、その時代に発売されたパソコンを調べてみると、1998年にアップル社が「iMac」というパソコンを発売していました!このパソコン、、デザインがめちゃくちゃ可愛い涙(下の画像の左側)
もし、10代の宇多田さんがチカチカしているこのパソコンのscreenを触っていたとしたら、それだけで絵になりますね。あと、電子製品に対して”チカチカ”っていう擬音語を使うのもちょっと平成感があります、今のスマホやパソコンの画面って画質が良すぎてあんまりチカチカしないですからね。。。
この部分、私が「automatic」の歌詞について考えてて一番わからなかった部分です。”側にいるだけで 愛しいなんて思わない”というのは、「あなたのことが好きなのは、ただ近くにいるからってわけじゃないよ」ということですよね。人を好きになるときに、”単純接触効果”が働くからって聞いたことありませんか?そう、単純に会う回数が多い人ほど好きになりやすいっていうアレです。この歌詞はそれを否定しているんじゃないかな?というのが私の見解です。「私の恋ってそんな俗っぽいものじゃないから、本能的に求めてるの!!」と小娘が言ってるような感じでしょうか。”ただ必要なだけ 寂しいからじゃない”というのも、「寂しいから、あなたの側にいたいんじゃないよ。」ということアピールしてますよね。
そこに、”wow wow yeah”入れるの強すぎない????
文章だけで見れば”キラキラまぶしくて”、どうしたんだよ、となりますが、
やっぱり「言わない美学」なのです。本当に幸せなときって言葉出ないですから、多分。君といるのが言い表せないくらい最高の気分というのが、逆説的に提示されています。
「Automatic」の歌詞分析はいかがだったでしょうか?
とりあえず、これを15歳で作詞作曲した宇多田さんって?神?と言いたくなる歌詞でした。何年たってもおしゃれで色あせない名曲ですね。
それでは、また次回~!
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