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舞台 中村仲蔵 観劇記録(3/17昼公演)

役者が役者を演じることで、共鳴し合う部分が増幅されるのでしょうか。

役が役者に、役者が役に、お互いを一番に理解しているのが伝わってきたし、台詞がぶつかってくるような感覚を肌で感じて、圧倒された。

歌舞伎には詳しくないし、観る前は自分に理解できるのか、この舞台を楽しめるのか不安だったのに…あっという間に惹き込まれてしまった。杞憂だった。びっくりした。

一幕の終わり、自殺未遂まで追い詰められた中村仲蔵が、自分の中にある役者の性を自覚し、演じることの面白さからは逃れられないと奮い立つ場面にはゾクゾクしたし、武者震いを覚えた。
(一緒に観に行った娘は「かっこよ過ぎて泣いた」と言っていた。)

二幕目は劇中劇の見所が多かった。
外郎売りの場面の淀みのない台詞は素晴らしかったし、仮名手本忠臣蔵の五幕目の場面は(忠臣蔵で一番目立たない役柄、極限まで減らされ、たった一言の台詞しか与えられないという条件で)台詞に頼らず、演じ切った気迫にやられた。
演じるってこういうことなんだって説得力があの場面に込められていた。
ああいう演出を作り上げた中村仲蔵もすごいし、それを再現してみせる藤原竜也さんもすごかった。

これは生で観るのがベストな舞台かと思うが、期間限定で配信もあるようなので縁がありましたら是非。

役者として進むべき一本道。
市川團十郎の先へ、もっと先へ向かう道。

ああ、…本当に素晴らしい舞台だった。


*ちなみに写真は観劇前に食べた「本日のチキンソテー」ランチ。
美味しかった(,,•﹏•,,)

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