親友の結婚式に行ってきた
この年になって親友というのも気恥ずかしさがあるが、人生で一番長いつきあいの友人が結婚することになった。
彼女は、結婚式にものすごく思い入れがあるタイプではない。
たとえば、ドレスは絶対あのブランドがいいとか、何かを手作りするとか、余興に芸人を呼ぶとか、そういうこだわりはない。
そのため、わたしはいつものように彼女とお茶の約束をして、待ち合わせ場所に行くときのような気持ちで式場へ向かった。
それなのに、新郎新婦入場を待っている段階で泣けてきてしまった。
涙ぐむ、とかいうレベルではない。鼻水が止まらない号泣で、用意していたティッシュはこの時点で使い切ってしまった。
式場で久々に新婦の両親や友人の顔を目にして、彼女と過ごした幼少期からの思い出が走馬灯のように蘇ってきたのだ。
あんなに小さかった彼女が、大人になって結婚までするということ自体に泣けた。
そのあとの披露宴で彼女と話す機会もあったのだけれど、あまり言葉が出てこなかった。
他の友人の披露宴では、ドレスかわいいねとか、旦那さんお似合いだねとか、楽しくおしゃべりできたのに、それができなかった。
彼女が今後の人生を共に歩む理解者を見つけたことのうれしさと、当然だがその相手はわたしではないことのさみしさ。いろいろな気持ちで胸がいっぱいになってしまった。
おめでとう、とばかり口にしていた。でも、一番伝えたかったことはそれだった。
改めて、本当におめでとう。
末永くお幸せに。
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生きていく糧になります。本当にありがとうございます。