第235回:毎週「Nature」誌から一つ、論文のabstract(日本語要約)を選んで、解説しながら紹介するとどんな風になるか? の52回目

本日は、遅い夏休みの後の、有給休暇中で、どこかの空港のラウンジで乗るべき飛行機を待っているところであります。夏休みを満喫しすぎて、ほとんどこちらの書くことをミスりそうでした。

私の生まれた家にはインターネットのような文明は未通ですから、わざわざ携帯電話で情報を取りに行く以外には、仕事をことを気にする必要はありません。

ですから、気になる論文をいくつか持ち帰ってそれで勉強していたくらいです。いくつになっても勉強は続くということをまたしみじみと感じたのです。

さて、今週号のNature誌(Volume 632 Number 8025)には何が掲載されていたのでしょうか。と言っても実際には雑誌を手に取っていないので、インターネットで見えるところからのものですけれど。関係内容で関係ある話としましては、やはり実際に雑誌を手に取って論文を読むのはまた違った印象が生じてきますので、インターネットだけだとちょっと勝手が違います。とはいえ進めてまいりましょう。

ぱっと見で目を引いたのはヒトドーパミン輸送体の論文です。3本並んで掲載されていました。内容はともかく、一応挙げておきたいと思います。
構造生物学:ヒトドーパミン輸送体の構造および阻害機構
構造生物学:コカインと複合体を形成したヒトドーパミン輸送体の構造
構造生物学:ヒトドーパミン輸送体でのドーパミン再取り込みと阻害の機構

一番びっくりしたのが、「神経科学:バーチャル齧歯類で予測された、さまざまな行動にわたる神経活動の構造」です。

最近の科学が発達しすぎているのか、もう抄録を読んだだけではわからない論文が非常に多くなってきました。現実的に、私がこれまで経験してきた研究から大きく逸脱(というか発展)してしまっているからなのでしょう。特にこの論文のような、コンピューター科学とバーチャルリアリティ技術(と言ってよいかどうかすらもわからない)が合体したような研究があり得てしまい、なおかつ、これらの研究が非常に重要な意味を持つようになっているようです。

抄録をそのまま読むと、バーチャルなネズミを構築して、それをトレーニングして、実際のネズミとの動きを比較するという。

まさに、映画マトリックスの世界。

きっとこのような論文はいくら読んでもわからないのでしょうか?もう悲しくなります。ちょっと自宅に帰りつくことが出来れば(飛行機とべば)この論文も読んでみましょう。

ということです。


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