252小噺 「悲し雨、嬉し雨」
本編252文字で綴るニコニコできるような小噺
※スナフ様の写真を使用させていただきました。
雨の日はね、お空の上で誰かが泣いているんだ。
でも、悲しくて泣いているとは限らない。
とっても嬉しいことがあって、涙が溢れているのかもしれないし、
すっごく面白いことがあって、涙が出ちゃっているのかもしれない。
今日は、どんな涙かな?
今日は雨が降っている。
窓に当たる雨粒を見ながら、子供の頃に聞いた話を思い出していた。
「今日の雨は、嬉し涙ならいいな」
なんとなく、そんなことを一人呟く。
『トゥトゥ!今、雨が降っているようです』
不意にSiriが反応した。
「そうだねー」
Siriに返事をしながら、出かける準備を始めた。