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『ブルーマリッジ』を読んで - Action Reading (2024.12.17 リライト)

2024年7月9日の日経MJで紹介されていた『ブルーマリッジ』。「無自覚の加害性を小説に」という紹介文に、何となく惹かれて読み始めました。

見えにくい「無自覚の加害」に言及した作品

それはごく自然に、息をするかのように行われている。

過去に受けた心の傷を取り上げた作品は今まで多く世に出てきていると思います。しかし、それらはやや強調されたトーンで(当事者にとってはそれだけの痛みを感じたのかもしれませんが)描かれており、時間や距離を置いた人からするとフィクションとして受け止められてしまう傾向がありました。

この作品では、それらの発言や出来事がごく自然に始まります。職場内での指示事項、親しい人との何気ない会話、喜ばしい席でのお決まりの発言。それは今まで通りだったり、時には息をするついでのようだったり、それを言うことを生活の区切りとするかのように。
受け止める側からすると、それは予想することも避けることも難しいタイミングで発せられます。それが心に刺さったまま、抜けずに留まり続ける棘になってしまうとはどちらも予想できていないのかもしれません。

「加害者」は「被害者」を演じ「被害者」は「自分」を取り戻そうとする

それぞれの傷への向かい方について、この小説は、そこにあったパソコンのカメラに収録された動画の様に再現していきます。

自分の行為には理由と正しさがある、どこに非があるのだ、と述べる。

自分を取り戻すために距離を置く。

周囲の支えを受けて回復を目指す。

自分の想いを静かに伝えて、待つ。

そして、心ではなく体に拒否反応を起こさせることで、何かに気付く。

それぞれの結末と問いの続き

そうしてこの物語は登場人物それぞれに気付きを促し、それぞれの結末に導いて終わりました。

「正しいこと」と「無自覚な加害」と

私は今、社内の事務処理をDX化する業務に従事しております。

「チェックが足りないなあ。これからは三人でチェックしてもらおうか。」
「どれも大切な仕事だ。それを面倒だと思うからトラブルが起こるんだ。」
「周知事項が徹底されていない?ではそのための会議が必要ですね。」
「この職場は今まで○○さんのおかげでもってきた。そんな○○さんに異を唱える、君の発言はどうかと思うよ。」

この発言はフィクションです。実際の出来事に基づいたものではありません。

さて、このような言動、見聞きしたことはありませんか?

これらは、発する側からすれば「正しい」判断、「正しい」指示だとも受け取れます。一方、受け止める側からすれば自分の能力、取り組み方、問題意識を一方的に否定された気持ちになる可能性があります。

これは「業務上正当で、必要な判断」でしょうか。「無自覚な加害」とすることは可能でしょうか?

逆に「自分は被害者だ」という声にどう答えればいいでしょうか?

私自身、会社のためによかれと思って作った事務処理ロボット(RPA)が、無自覚のうちにどこかの職場の職員を困らせることになるのではないだろうか?と日々逡巡しながらパソコンに向かっています。

社会に主体的に関わっている一員である以上、「100%の加害者」も「100%の被害者」もいないと思います。

少なくとも、起こっている事実に「無自覚」でいることが無いよう、心がけているつもりです。

「選び選ばれる関係」へ

多くの会社が「どんな立場の職員も尊重」され、顧客や協力会社とはお互いが「選び選ばれる」関係性を持つことを目標として掲げ始めています。

それは、そうなればいいね、といったファンタジックな発想というより、それができない会社は立ち行かなくなるのではないか?という考えに基づいているように思われます。

Perplexityによるレポート

レポート画面のスクショ。本文は以下の通りです。

多くの企業が、職員の尊重と顧客・協力会社との相互選択的な関係性を重視する傾向が強まっています。
## 職員の尊重
企業は、すべての立場の職員を尊重する職場環境の構築に努めています。具体的には以下の取り組みが見られます:
- 差別やハラスメントの禁止[1][4]
- 多様性の尊重と認め合い[4]
- 労働基本権の尊重[4]
- 安全で衛生的な職場環境の確保[4]
これらの取り組みは、社員一人ひとりが自発的に行動し、パフォーマンスを最大限発揮できる環境を作ることを目的としています[3]。
## 顧客・協力会社との関係性
企業と顧客・協力会社との関係は、「選び選ばれる」相互的なものへと変化しています:
- 顧客との信頼関係構築が重要視されている[2]
- 企業は自社のミッションやバリューで働き手を惹きつけ、互いに選び合う関係を構築[3]
- サプライヤーやビジネスパートナーにも人権尊重を求める[4]
この相互選択的な関係性は、持続可能な成長と長期的な信頼関係の構築につながります。
企業は、これらの目標を達成するために、人権ポリシーの策定、教育・啓発活動の実施、人権デュー・ディリジェンスの実施など、具体的な取り組みを行っています[1][4]。これにより、企業と職員、顧客、協力会社がともに成長し、選び合える関係性の構築を目指しています。

Citations:
[1] https://www.astellas.com/en/system/files/policy_on_respect_in_the_workplace_jp.pdf
[2] https://business.adobe.com/jp/blog/basics/how-to-build-customer-relationships-that-earn-trust-loyalty-and-sales
[3] https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/jinzai_management/pdf/20190329_01.pdf
[4] https://www.khneochem.co.jp/company/philosophy/principles/human_rights_policy.html
[5] https://note.com/tsubasatada/n/n015738974e9d
[6] https://hatarakigai.info/ranking/japan/2022.html
[7] https://www.duskin.co.jp/sus/social/data/
[8] https://www.nikkei.com/article/DGXNZO50327460X00C13A1SHA000/

Perplexityが抽出、生成した文書2024.12.17

私にできることはなにかあるのかなあ。と考えます。
かな?というより、かなあ。位の感覚で考えます。
単に言葉を並べるだけではなく、手を動かして考えてみます。

それが、この作品を世に出して下さった著者への私なりの回答だと思っています。

今回の記事の下書き

ActionReadingのチャレンジシート

読み終わった後に「チャレンジシート」を作成して経験を血肉化する手法について、こちらの記事で説明しております。あわせてお読みください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


#日経COMEMO #NIKKEI

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