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画像生成AIは、ミニスカサンタの夢を見るか?Part2
みなさんこんにちは。
この記事は、私が自分で感じたり経験したことについてゆらゆらと書いています。今回は「アトリビュート」について、4回シリーズで考えております。今回は、その2回目。
前回(Part1)のまとめ
マリア様、と聞いてほとんどの人は「青いベール姿の女性」を想起する
それを「アトリビュート」と呼ぶ
画像生成AIにも、人物やキャラクターを伝えるだけで、対象の姿や衣装、持ち物まで再現できる機能がある
この機能は「阿修羅」に対してもある程度有効だった
一方で、日本人にとっての「風神雷神」の姿を再現することは難しかった
今回(Part2)の話題:キャラクター設定がアトリビュートになるまで
前回は、生成AIがマリア様、阿修羅、風神雷神についてのアトリビュートを再現できるのか、について調べてみました。
今回は少し視点を変えて、アトリビュートがどのように形成されていくのか、身近な例から考えてみたいと思います。
私の独自キャラクター「Dalilaさん」
私は画像生成AI(Dall-E)を使う時、「Dalila」という名前を付けて、特定のキャラクター設定で画像を生成することにしています。そのイメージを固定するために、画像生成時に以下の設定を行っています。
ベレー帽
青いオーバーオール
縮れ毛茶髪のロングヘア
日本人の若い女性
Dalilaさん画像の変遷
Take1初登場時の姿 プロフィール写真風に紹介
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Take2 このころからキャラクター化しようと思いました
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Take3 このころから記事本文中に登場させるようにしています
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Take4 正月準備のエピソードその1
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Take5 正月準備のエピソードその2
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Take6 和風快晴 正月の風景
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Dalilaさんの服装や髪型を固定しているわけ
なぜこのような設定にしたのか?
それは、見てくれた人が「あ、いつものあの子だ」と感じてくれると楽しいな、と考えたからです。
画像生成AIの限界を逆手に取る発想
画像生成AIには「毎回まったく同じ顔立ちの人物の生成」が難しい、という技術的な制限があります。その課題をカバーするため、服装や髪型を固定することで、キャラクターの一貫性を保とうと考えました。
では、服装や髪型が一致していればDalilaさんのイメージは保てるか、というとそうでもありません。「なんか違うな」というアウトテイクもたくさん作りだされています。
お蔵入りしたDalilaさん候補
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少しずつ表現の幅が広がっていく楽しみ
面白いことに、登場回数が増えてキャラクターが定着してくると、少しずつ変化をつけてみたくなります。
例えば:
ロングヘアをボブにしてみる
正月には和服を着せる
ただし、キャラクターの象徴である「青」を取り入れる
赤い着物姿のDalilaさんは、Dalilaさんぽくない、でお蔵入りとなりました
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和服でも「いつものあの子」感は維持したいですね
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個別のキャラ設定と「アトリビュート」の違い
このような試みを続けていて思ったのは、こういった「個人的な表現選択」がいつの間にか「アトリビュート」として定着することはあるのかな?ということです。
デザイナー個人が創作した意匠やスタイルが、日本中や世界中に伝わり、「アトリビュート」として確立されていって事例はあるのでしょうか?
我々がよく知っている事例、それは「キティちゃん」です。
好例:サンリオのキティちゃん
キティちゃんの場合、最初は一つのキャラクターデザインとして:
リボン
シンプルな顔の描写
サイドビューの配置
といった要素を持った子猫として始まりました。
初期のキティちゃんはこのような感じ
それが今では、シルエットやリボンだけを採用したデザインであっても、見る人は「キティちゃん」と認識してくれる、そういった状況にまで至っております。
コラボグッズその1 リボンだけでキティちゃんを想起させるグッズ
コラボグッズその2 同じくリボンだけでキティちゃんを表現
これらの特徴は、長年の商業展開と世界的な露出を経て、次第に「文化的アイコン」としての地位を確立していきました。
キャラ設定がアトリビュートに昇華するプロセス
ここまでの考察を振り返ると、アトリビュートが形成される過程として
個人的な表現選択から始まり
多くの人々との共有を経て
集合的な認識として定着する
という過程があるのではないでしょうか。
もちろんそれを日本中、世界中に広めようとすると、何らかの商業的な施策乗せる必要があることは言うまでもありません。
ここまでのまとめ
画像生成AIは、全く同じキャラの画像を作成することが苦手
それを補うために意匠や衣装、髪型で同じキャラだと認識させてみた
商業デザイナーの考案したキャラが世界に広がる過程に似ていた
最後に少し妄想してみる
もしかしたら私が個人的に考案したキャラクターも、何かのきっかけで世界的な人気者になるのかな?
そうなったら楽しいな、と思いつつ、今回の記事を終了させていただきます。(Part3に続く)
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。