フランスでのオーディションについて
現在とあるカンパニーと契約を結んでいるので、ここ数年は精神的にも経済的にも安定した年となりました。
しかしいつ何が起こるか分かりません。契約が終わりまたオーディションを受ける日々が来るかもしれない・・・
フランスでオーディションはどんな感じなのか、せっかくなのでこちらにメモを残していきたいと思います。
【年がら年中募集要項あり!】
王道はface bookのアノンス(広告)です。ダンサーとか、ダンサー募集というグループが存在していますのでそのグループに入り、随時募集を見つけては連絡を取るという感じです。
ダンス・カンパニーの団員募集の時もあれば、作品ごとダンサーを募集している場合もあります。
またさすがface book,世界中で使われているだけあり、フランスだけの情報ではありません。アメリカやカナダやイタリアやドイツなど。。。世界中での募集要項を全て掲載してくれます。だからこそオーディションではたまに「アメリカから来た」ですとか、「イスラエルから来た」という方も少なくないのです。
ちなみに、Facebookのこういったアノンスグループは個人的に有効だと思っています。ダンスだけでなく、エキストラのお仕事も頻繁に募集がかかります。映画やcmなど、エキストラの最低一日賃金は100ユーロ前後。別に何をするでもなく、とある映画のエキストラをした時は参加者がunoを持ってきていたので、一緒に遊んで大半の時間が終わりました・・・悪くはないと思います。
【個人的な歴代オーディションの様子】
私が今までどんなオーディションを受けてきたか、さらっとこちらでシェアしていきたいと思います。
①
まず2017年フランスきて一発目に受けたのがディズニーのオーディションでした。こちらfacebookでもディズニーのサイトでも掲載されていますが、募集が毎月のようにありチャンス大です。当時パレードダンサーという枠で受けて最終まで行ったのですが、不合格になってしまいました・・。
オーディションには数百人ほどいて、会場ではディズニーパリの歴史のビデオや、ディズニーアトラクションみたいなのもやってくれました。(写真撮影やお絵かき体験など)
内容は、まず初めはキャラクターダンスができるかどうか、ということで毒林檎を持ったお婆さん。OKなら次々に番号が呼ばれます。次に一定の簡単な振り付け。番号が呼ばれます。次に実際に行われている振り付け。呼ばれます。面接・・・という感じでしたでしょうか。
②
ダンスに関する知り合いを増やし始めたころ、声がかかって演劇グループに参加することになりました。ダンスクラスって、結構俳優さんとか舞台での演者さんが多かったりしますので。。
③
ダンスのカンパニーに席をおきたいと思い始めた頃、バレエの経験がないと太刀打ちできないと気付きました。ここで初めて、一生懸命バレエの勉強をすることになります。スタジオにダンサー募集の紙が貼られている場所があるので、よくチェックしていました。そこで、エクサンプロバンスにある超有名カンパニー,preljocajがコンテンポラリーダンサー募集とあったのでひとっ飛びでエクサンまで。
惨敗でしたが、内部でのオーディションはピリリとしていい思い出です。当時バレエを始めたばかりの私ですが、オーディションではなんとバレエダンサーしか取らないのですね・・バーレッスンから始まりセンターへ。私は早々ディレクターの隣に行って、バレエがわからないから後学のため見させてほしいと申し出て、謎に一緒にオーディションの様子を見ていました。真剣に受けるダンサーたちが、本当に輝いていた・・
④
なるほど、なんとなくオーディションの感じがわかってきたぞというとき、今度はマルセイユのオペラでダンサー募集の要綱が。すっ飛んでいきました。今回の集中力は半端なかったです。最終選考まで残って契約書まで書いたのですが、後々私がまだ学生ヴィザだったことと、この時2019年1月だったのですがコロナが大爆発することになり、いろんな意味でオジャンになりました。
⑤
同じ年、2019年2月でしょうか。今度はマルセイユのオペラが学生ヴィザのため不合格になってしまったため翌月スペインのシッチェスという、バルセロナ空港からバスで2時間くらいの港町にきました。オーディションがあったからです。バカンス兼ねてオーディションに行ったものの。。なんとキャンセル、というか、町中ロックダウンの宣言が。オーディションどころではなくなったわけです。3日しかステイしなかったので、大丈夫かなとハラハラしつつ、ぎりぎりキャンセル便が多い中奇跡的にパリ行きに搭乗する事ができました。そして22時ごろパリに戻ってくることができました。
戻ってくるといつも混んでいるメトロに誰も乗っていない。駅降りて街に出ると誰もいない・・こんなゴーストタウンと化したパリを見るのは初めてでお腹の下がヒュッとなったのを覚えています。
そして翌朝、パリでもロックダウンの宣言が発令されてました。なるほど・・危機一髪だったわけです。
⑥
2021年、コロナ中ではあったのですが、とあるカンパニーがオーディションをしていました。オーディションを受けるために、また公共の乗り物に乗るために3回目のワクチンが必須でした。ワクチンと証明書とネガティブ結果、それらを用意してオーディションへ。ここで身体表現に特化したとあるカンパニーで雇われることに。オーディション中もリハ中も、終始マスク有りでした・・
⑦
1年くらい働いた後、私がダンス教師のための専門学校に行くことを決めたので、時間の都合上カンパニーを脱退しました。
その後時間の都合も悪くない、イタリア系のとあるコンテンポラリーダンスカンパニーのオーディションがあったので受けに行ってきたのですが、惨敗しました。ありゃりゃ
⑧
学校の仲間に聞くと、オーディション情報はfacebookだけでなく、CND(フランス国立ダンスセンター)のサイトにオーディション情報が掲載されているから、こっちの方をオススメだよと言われ、確かにこちらの方が雇用状態など詳細だしいいかも!となり、再びオーディションの波に揉まれることに。そして現在働いている劇団が掲載されていて、オーディションを受け、現在に至る・・とこんな道のりでした。
【準備しておくべきもの】
オーディションに向けてもちろん体を仕上げていくことは第一条件ですが、そのほかのものも日頃から準備しておくと大変便利です。
・CV
・lettre motivation
・lien YouTube
・即興用の曲
→CV(履歴書)はいうまでもありませんが、フランス式であることです。結構カラフルで、目に留まるということが大事です。一枚の中に最大限のことを、ポップな感じでまとめましょう。
→lettre motivation (志望動機)もフランス式で書きましょう。1段目は簡単な自己紹介、2段目はなぜそのカンパニー(作品)に携わりたいのか、3段目は自分の能力をどう活かせるか、です。またフランス式の行の使い方は、両端均等になるやつです。(雑な言い方ですみません、なんというのでしょうか・・?とにかくハジによらない均等の行がマストです)
→lien YouTubeは、メールで応募するとき自分の踊りを見せてくださいという場合が多いです。動画そのまま送るのは重くて無理なことが多いので、youtubeなどで日頃から掲載しておくと便利です。私のyoutubeサイトはそのためオーディション用に撮ったダンス動画がたくさんです・・
→カンパニーによっては、当日即興をしてよ!なんて言ってくれたりもします。その際好きな曲を初めから用意しておくと(名前とかyoutubeなど)、音響係さんが流してくれます。あわわ・とならないためにもあっていい準備かなと思います。
非常に個人的なことをババっと書き連ねてみました。記憶をたどりながら走り書きしたので自分でも読み返してみて大変読みづらいです。
フランスでのオーディションの様子がなんとなくお届けできたら幸いです。
それでは、良い一日をお過ごしくださいませ。