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Ballet Suédois

伝説のバレエ団、Les Ballets Russes(バレエ・リュス)のようなバレエ団を作りたい!という希望から生まれたのがBallet Suédois(バレエ・スエドワ)です。

バレエ・リュスに憧れているだけあって、当時(1920年〜1925年、2つの戦争の間にある狂乱の時代ですね)活躍していたアーティストたちがコラボして作品作りに挑みました。
音楽家からはエリック・サティやフランシス・プーラン、ジャズ音楽家のコール・ポーターなども。
作家でいうとジャン・コクトーやポール・クローデル(日本の仏大使館で働いていたこともある劇作家さん!)
衣装・舞台美術に藤田嗣治など、そうそうたる時代の寵児たちが参加していました。

バレエ・リュスと異なる点といえば、ジャズをより取り入れたこと(ジャズが生まれたのが1917年なので)、5年しか活動できなかったこと(資金のやりくりが難しかった)、一人のみの振付家だったことでしょうか。
*振付家Jean Börlinはバレエ・リュス初代振付家であるミハイル・フォーキンの弟子でした。

シャンゼリゼ劇場に腰を据えてRolf de Maré監督の元活動しました。資金難でバレエ・スエドワを解散した後Rolf de Maréは次にアメリカからかの有名なダンサーを招きまた大当てすることになります・・・

狂乱の時代らしいと思わせる作品がRelâcheです。フランス語で力を抜くとかリラックスとか、そういった意味なのですが、舞台の上では様々なことが起こります。
タバコを吸ったり、その日を消すために警察(もしくは消防士)がバケツの中にある水をぶっかけたり。バレエ・リュスと比較してより演劇的な要素が多く含まれている作品です。
さらに、同時上映として幕間にentr'acte(フランス語で幕間)という小フィルムも上映されました。René clairが撮影、Erik Satieが音楽担当。フィルムの中にはエリック・サティやジャン・コクトーらも映っています。
シュールレアリズムの流れを汲んだフィルムで非常に面白い!


受験勉強中はこのentr'acteのフィルム(18分ほど)がネットで見れたのですが・・本日発見することができませんでした。残念。。

とにかく、今までのバレエの概念をぶっ壊したバレエ・リュスにつづき、狂乱の時代の華々しさ、アメリカではアール・デコやジャズ、タップダンスの文化がしっかりと根付きはじめ、ヨーロッパでは産業革命後そして戦争を経験し皮肉にもより文明が豊かになり、モダンダンスという新たな体の使い方が模索されたり、音楽や美術の世界でもオリエンタルの雰囲気を混ぜたり新たな規則を作ったり、キュービズムやシュールレアリズムが生まれたりと新たな創作の風が吹いている時代でした。

そんな当時の流行と挑戦というのが感じれるのがこのRelâcheでありentr'acteかなと思います。狂乱の時代・グレートギャツビーの時代です。この時代の衣装が好きという方も多いかと思います。もしよければ動画をチェックしてみてくださいね!

再演されることは稀なのですが、かつてのレパートリーを大事にしているカンパニーがCCN(フランス国立センター) - Ballet de Lorraineです。19個あるCCNの中でもバレエ・リュスやバレエ・スエドワ、かつての名作をしっかり今の世代に伝えるカンパニーですので、要チェックです!

それでは、良い一日をお過ごしくださいませ。

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