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Le sacre du printemps 春の祭典

バレエリュスのスターダンサー、ヴァーツラフ・ニジンスキーが振付したle sacre du printemps。いろんな意味でとても大好きな作品です。

当時としてはあり得ない音楽構成、古き良き民族的なロシアの雰囲気、生贄の少女を選ぶというテーマ性・・・。
何よりも天才ダンサー、ニジンスキーが生み出した当時のバレエ・コードから逸脱した振付が秀逸です。ずっと背中を曲げて内股でいる姿勢、いろんなポジションでの飛び方、不気味に静かに響く不協和音の中、円になって踊る少女達。
全ては新たな表現への挑戦でした。この表現がたまらないのです。

現在あまりにも有名な再解釈・再構成された春の祭典といえば、ピナバウシュがヴッパタール舞踊団に振り付けた春の祭典ではないでしょうか。愛・暴力・平和への疑問を投げかけるような魂のこもった振付で今でも大人気の代表作です。
2024年には日本でも、ピナ版の春の祭典をアフリカ人振付家、ジャーマン・アコニーが再演させました。


ネオクラシック版だとやっぱりベルギー人振付家のモーリス・ベジャール版春の祭典でしょうか。boy meets girlといった感じの男女の生命感あふれる作品と仕上がっていました。


モダンダンス界からだと大御所のマーサ・グラハム版春の祭典も素敵ですね。パリ・オペラ座でも公演されましたが、ザ・マーサのテクニックをふんだんに使った男性ダンサーと生贄の少女役の力強い作品でした。


フランスだけでも150作品ほど再解釈・再構築された春の祭典がありますが、特に気になったのがコンテンポラリー振付家ジャン・クロード・ギャロッタ版でしょうか。現代的な解釈にパワフルさも加わった斬新な春の祭典となりました。


ストラヴィンスキー作曲の春の祭典は、音楽自体も当時非常にスキャンダルを呼んだ作品でした。今でもよく演奏されています。Disneyのfantasiaという映画でもストラヴィンスキーの春の祭典が使われています。恐竜達が生きていた時代から絶滅するまでのイラストに合わせて春の祭典が奏でられています。

春の祭典というと、どうしてもピナバウシュ版の春の祭典があまりにも有名でこちらの作品を思いつく方も多いのかと思います。
個人的には、ニジンスキー振付オリジナルにほぼ近いといわれた、マリインスキーバレエ団が上演100周年としてシャンゼリゼ劇場で披露したバージョンが大好きです。
2013年に上演されたのですが、フランス・ドイツ共同番組Arteが放映したものが今でもyoutubeで観れます。
もし興味のある方がいらっしゃったら観てみてください!

良い一日を

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