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Jazz danceとは・・?歴史を探る ep5

アメリカではミュージカルというスタイルがどんどん確立されていましたね。初めはショー、バーレスク、喜劇を集めたものだったのが、ジョージバランシンによってネオクラシックのステップが加わったり、音楽がジャズシンフォニーであったり、はたまたDream Balletという手法が踊られるようにもなりました。
タップダンスもしっかりと踊られています。
さらに、1930年代頃からアメリカでモダンダンスと呼ばれる、バレエ以外の踊りが踊られるようになりました。黒人ダンサーによって生まれたモダンダンスもあり(この当時、アメリカではいろんなダンサーによってそれぞれのモダンダンスが生まれていました)バラエティ豊かなエンターテイメントとなったのです。

【Ballet Jazz Broadway】
さて、先日記載したDenishawn schoolの卒業生、Jack Coleはいろんな種類の踊りをこの学校で学びました。
時代はモダンダンスであったのですが、当時ミュージカルの舞台の方がギャラが良かったためジャックはミュージカルの方へと歩みを進めます。
インディアンダンスも心得ていた彼は、ジャズの音楽にインディアンダンスを融合させる踊りを披露しました。アイソレーションがしっかりしつつ、アクロバットもできてタップもバレエもお手のもの、それに加えてジャズの音楽をベースにしても違和感を感じないのです。
初期の頃、彼が出演した作品で、作品は酷評されつつもJack Coleの踊りの部分のみは完璧だったと絶賛されるくらいでした。


彼の振り付けは以上のことからマスターするのが非常に難しかったそう。そこで、ミュージカル映画(舞台も)を撮影する前、必ず配給会社のスタジオで彼のレッスンを受けることが必須となっていました。
ここで多くのダンサーが彼のレッスンを受けます。
この時ジャックは、彼の踊りのスタイルをブロードウェイ・スタイルやバレエ・ジャズ・ブロードウェイと名付けていました。
彼のレッスンを受けた人の中には、のちにボブ・フォッシー作品に多く出ることになる名ダンサーや、アメリカを代表する今も大人気カンパニーの創立者・Alvin AileyやMatt Mattoxらがいます。Matt Mattoxは彼の踊りを1960年代フランスに持ってきて、フランスにモダンジャズを広めることになります。
現在でもフランスでは彼の流派のモダンジャズを学ぶことができます。私の元同僚が現在この流派のカンパニーで頑張っているので、不思議な時の流れを感じます・・・


【映画のブロードウェイ】
先にも記載しましたが、アメリカのエンターテイメント、ショービジネスは舞台だけではなく新たに映画というエンターテイメントも始まりました。
太陽光を必要としていたため、撮影場所やスタジオはハリウッドに決められます。
Busby Burkeleyは多くの女性を使って万華鏡を覗いているかのような作品を多く作りました。

彼の作品はYouTubeで見れます。ある意味シュールレアリスムで好きです

スタジオが全てハリウッドにあるため、ダンサー達や振付家の交流もより活発になります。Fred Astaire, Gene Kelly, Ginger Rogersなど・・多くの名作が生まれます。'パリのアメリカ人'とか'雨に唄えば'とかです。少し後にBon Fosseなどが腕を振るうようになります。


ジーン・ケリーは名作ばかり!


まさにキャバレー・ジャズ・ブロードウェイ

映画ブロードウェイの黄金時期といえば1960年でしょう。なぜなら、Jerome Robbinsによってwest side storyが生まれたからです。先に舞台のブロードウェイが1957年に上演されたのですが、さらに映画版にして上演したところ瞬く間に大ヒット!アメリカ版ロミオとジュリエットと呼ばれるこの作品は、冒頭からダンスダンスダンスで心が躍ります。


ミュージカル!

余談ですが、私ふじは、大好きな映画があります。フランス映画のロシュフォールの恋人です。これはフランス版ミュージカル映画と呼ばれていて、まさにジーン・ケリーやウェストサイド物語の主人公の一人(写真の真ん中の彼)がフランスでカトリーヌ・ドヌーブらと共演した夢のような作品です。


1967年に公開

【ジャズダンスとは?】
今まで一緒に歴史を追ってきましたが、つまり日本でよく見るジャズダンスはこういったモダンジャズ・あるいはバレエ・ジャズ・ブロードウェイの流派を組んでいるジャズが多いです。厳密にジャズ、というとplantationから派生してジャズ音楽に合わせる1920年代に踊られていたものがジャズダンスといえます。
ブロードウェイやミュージカルを目指す方の必須科目と言えるでしょう。

日本ではさらにガーリーとか、ステージジャズとか、リリカルジャズとか・・・もっと細かく枝分かれしていきますので、源流はここなんだということがなんとなく理解できたら、そもそものジャズに寄り添えることができるかもですね。

いかがでしたでしょうか。また折に触れて作品紹介やダンス史を記録していきたいと思います。

それでは、良い一日をお過ごしください。

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