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フランス国家認定ダンス教師の資格を得る道①

フランスでバレエはコードや言語が決まってどんどんと発展していったように、現在でもダンスに関してフランスは活発です。とてもアカデミックといっても良いでしょう。
アカデミックであるために、教える側は一定の基準を持っていなければなりません。そこでダンスの先生であるためには国家資格を持たなければならなくなりました。一定の技術キープはもちろん、生徒に無理な形や負担をかけさせないためでもあります。

コンセルヴァトワールにバレエ留学した方などは自動的に国家試験の内容である理論を学ぶので、卒業と同時に資格を得ている方も多いのではないでしょうか。私はクラシックバレエの方で受験していないので詳しくはわかりませんが、同僚のフランス人曰く、コンセルヴァトワール時代、2ヶ月で理論・2ヶ月で教育論を集中的にやったよといっていたので、日々のレッスンに加えて理論の時間をとっていたんだなと知ることができました。

私が取得したのはコンテンポラリーです。受験の流れはこのようなものでした。
1年目:12月までに一次審査のビデオを送る。
学校がスタートするのは9月。まずはテクニックの試験突破が一年目の目標となります。テクニックの試験EAT(Examen d'Aptitude Technique)が合格しない限り、理論の試験を受けることもできません。
10月後半くらいにとある振付作品が決定します。それに向けて日々練習し、ビデオをとって送ります。1月にはもう結果が出たような。

次の試験は4月終わりから5月初めにかけて。だいたい2択あり、どちらを選択するかは受験者次第です。私の時はmary wigmanというドイツでモダンダンスを生み出した振付家の系統か、Pacoというイタリアのコンテンポラリー振付家という2択でした。指定された作品以外にも自分が振り付けた作品3分以内も準備しないといけません。ここで、得意な動きばかりしてしまわず、上記の2択作品を選んだ理由も含めて戦略的に振り付けたり作品を選定する必要があります。
また当日は選択した振付家の作品・自分の作品を見た上で、3人の試験官から即興が課されます。特に弱いと思った部分を強調される指示が来がちです。私はすごく面白い指示で、「黒・溶ける」を表す即興を命ぜられました。即興時間が一番楽しかったですね。。結果即興が一番点も高かったです。

最後は面接をして終了。なぜ先生になりたいのかがメインの質問です。自分の学んだことや好きな・目指したい最近のフランス人振付家は?など、勉強もしないと答えられない内容です。4人グループになってリハーサル室で待機するのですが(試験会場はパリ・オペラ座を目指す子達が通うコンセルヴァトワールです)、勉強をおろそかにしてしまった子がいて、泣きながら最近のフランス人振付家を急いでスマホで探していました・・・

結果は文化省のサイト並びに手紙とメールで知らせがきます。
合格すると自分で手形通帳のような冊子を依頼します。何年にEAT合格、とハンコを押されたものが家に届きます。これは最終的に認定書を受け取るまでに持ち続ける必要があります。その後の試験内容に合わせて空白が後4つ(理論3つと教育論)あるからです。

1年目のテクニックが終われば次は外国人にとって非常に難関な筆記および口頭での理論の試験です。楽しかったけど辛かった理論の試験。また次回に回顧録としてかければと思っております。

それでは良い一日をお過ごしくださいませ。

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