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利休? 3歳ちゃんの美意識
松岡宏明先生の「子供に子供の美術を」は
繰り返し読んでいる。
私のやってきたこと、
やりたくて試行錯誤していたこと、
それをすでに言語化してくれている本と
自分の中では位置づけしているので
ふらふらしている時に読むと
自分のやりたかったことに引き戻してもらえる。
この中の
「子供」と「芸術家」という章では
5歳くらいの子どもの作品の芸術性は
ある意味ピークであり
芸術家は専門的トレーニングによって
そこを目指している
というようなことを
なんにんかの芸術家の言葉や
調査を紹介して述べている。
それを実感させてもらうことが
子どもと製作活動していると本当にある。
3歳さんとの時間。
枝と葉っぱのような形に切った色紙。
いわゆる異素材の製作です。
枝を折り紙の葉で、
各自で
カラフルにしてもらった。
枝に折り紙。
3D×2D
貼りたいと狙った場所に
うまくおさまるか、
というと必ずしもそうではなく
知らず知らずに
枝をくるくるまわしつつ
彼らは素材と格闘する。
不思議なことに、いやになっちゃう子はいない。
取り組みを見ているとたいてい
最初は、使いたい色を枝に並べて貼ろうとする
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ある3歳ちゃんもそうだった。
並べて並べて。
うまくいかないのか、並べ替えて、貼り直して。
そこから、自分の選んだ枝との対話が始まる。
その彼女は、
最終的に、数枚の折り紙が1枚に集約されていた。
トップの画像のように。
⛰️「一つになったんだね!一つの中にたくさんの色があるね!」
🐱「いっこの葉っぱの中にはたくさんの色があるでしょ」
彼女の観察がこのように形としても表現された結果だった。
知識じゃなくて
体験であり
それを形にしたんだ。
形にした=アウトプットした
枝に1枚の葉。
その葉の中には凝縮された色彩の世界。
それを見て、私の中では
千利休の椿の逸話をなんとなく思い出した。
余計なものはそいで
そいで、
一番美しい形で
一つを見せる
そんな美意識にも通じる気がしたんです
だって、色彩が凝縮された1枚だもの。
スタッフの先生には
「あら、1枚だけでいいの?」
と言われていたけど。
や〜、この1枚にたどりついたのが
すばらしいよ。
願わくば
こういう表現をできちゃう自分を大事にしてほしい
教育を受けることで
これをよしとしない自分もでてきちゃうかもしれない。
他の人みたいに何枚かバランスよく貼らなきゃかな
と思う自分もでてくるかもしれない。
そうだとしても、
この日のこの自分にまた出会えますように。
そう願う。
それこそが
自分の軸をもつってことだと思うから。
不思議なんだけど
こっちが感動していると
相手にも伝わるみたいで
毎回、あちらから
作品見せてくれがてら
何かしら打ち明けていってくれる。
それが、作品の中のことだったり
彼女の今日の気持ちだったりする。
まるで「あなたは、気づくでしょ?」
と言われているみたいだ。
そんな心の交流が好きだ。