短編:精神病院の手記
精神病院の手記
2024/07/15
俺は一体いつから狂っていたんだろう。今は○×病院の▲病棟に入院している。俺は最初、全能感、いや単に調子が良かったんだ、そういう日がずっと続いて、じきに女にもモテるようになった。みんな奇妙なくらい控えめだが大胆に明らかに俺を誘っていた…それもつかの間だった。俺は一体いつからおかしくなっていたんだろう。
○×病院は長期入院患者が大半を占める田舎の精神科病院だ。俺が無理を言って入院させてもらった。俺がおかしいのは傍目にも明らかだと思ったが、医者に言わせれば自宅療養で十分だったらしい。だが俺は本当に殺されると思っていたから、粘って何とか任意入院という、軽い患者の枠で入院させてもらったのだ。
この病院は重度で家族がお手上げになった知的、発達、人格荒廃した精神障害者と問題行動で内科病院に入れない寝たきり老人がほぼ全員で、どれくらい酷いかと言えば、俺を見て股間を弄りだす女がいた。病室の窓から瞬き一つせず見つめてくる精神病者や、奇声は日常茶飯事だ。隣のベッドの爺さんはどこでキレるかわからず良くイヤホン越しに怒鳴り散らしていた。
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