がじゅまる

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【エッセイ】ストレスとの向き合い方 / 一流の頭脳(アンダース・ハンセン)

 ストレスは、日常生活の多くの場面で発生し、無くなることはないだろう。そうならば、ストレスの正体を理解し、上手に付き合っていくことが良いだろう。 ストレスの正体 ストレスは、HPA軸という視床下部、下垂体、腎臓からなるシステムの機能によって発生している。具体的には、脳が脅威を感じると、視床下部がホルモンを分泌し、刺激された下垂体もホルモンを分泌する。それを受けて腎臓が「コルチゾール」というストレスホルモンを分泌し、ほんの1秒の間に心拍数が上がり、血流量が増加するなどの身体的

    • 【エッセイ】運動で脳が若返る / 一流の頭脳(アンダース・ハンセン)

      運動で脳が若返る  運動をすると脳が若返るというのは科学的な根拠に基づいた話である。  ある研究で60歳の被験者100人を2つのグループに分け、1年後、脳の働きをMRIで調べるというものである。グループは、週に数回ウォーキングをするグループと同頻度で心拍数の上がらない程度の運動をするグループとした。  結果は、2つのグループで全く異なる結果となった。  ウォーキングを実施したグループは、側頭葉と前頭葉、側頭葉と後頭葉の連携が強化されていたのだ。すなわち、神経細胞同士の電気

      • 【エッセイ】希望的、楽観的な脳  ネガティブ・ケイパビリティ(帚木蓬生)

        希望的、楽観的な脳   私たちは不安を避けるため、分かりたがる脳をもつ。そしてこの意味づけの際によく起こるのが、希望の付加である。  アメリカの調査では、「あなたは100歳以上生きますか」問質問に対して、10%の人が「イエス」と答えたそうだ。しかし当時100歳まで生きられる可能性のは0.02%である。  地球温暖化の問題もこのままではまずいとは知りつつも、なんとかなると思うのも、自分は事故に合わないだろうと考えるのも脳が希望的、楽観的であることを感じさせるが、行動するにあたっ

        • 【エッセイ】最良の薬は人  ネガティブ・ケイパビリティ(帚木蓬生)

          好まれるポジティブ・ケイパビリティ  ポジティブ・ケイパビリティとは、ネガティブ・ケイパビリティとは反対の考え方であり、問題を早期に解決する力である。  著者の受けてきた医療教育ではそれが著しく、できるだけ早く患者の問題を見つけ出し、できるだけ早く解決を図ることが至上命令となる。これだけを聞くと、とても頼もしいように聞こえるが、実際の現場では、問題が見つからない場合や複雑すぎて解決方法が存在しない場合もある。こうなると、ポジティブ・ケイパビリティばかりを追ってきた主治医の場合

        • 【エッセイ】ストレスとの向き合い方 / 一流の頭脳(アンダース・ハンセン)

        • 【エッセイ】運動で脳が若返る / 一流の頭脳(アンダース・ハンセン)

        • 【エッセイ】希望的、楽観的な脳  ネガティブ・ケイパビリティ(帚木蓬生)

        • 【エッセイ】最良の薬は人  ネガティブ・ケイパビリティ(帚木蓬生)

          【エッセイ】モヤモヤの正体とは、/ ネガティブ・ケイパビリティ(帚木蓬生)

          モヤモヤ  本を読むようになって、1年ちょっとが経過した。読んだ本は100冊を超えたくらいだろうか。悲しいことに自分自身は何も変わっていない。  本を読んだ直後は、武器を手にした戦士のように戦おうとするが、しばらくすると、その武器は跡形もなくなくなっている。すなわち、戦士である自分自身は何も成長していないのだ。  このモヤモヤを脱却すべく、友人におしえてもらったnoteで、文字にしてみるが、まるで書けない。虚しさが募るだけである。  そんな私を擁護してくれる一冊に出会った。

          【エッセイ】モヤモヤの正体とは、/ ネガティブ・ケイパビリティ(帚木蓬生)

          【エッセイ】褒めて伸ばすって本当!? 空気を読む脳(中野信子)

          褒めて伸ばすって本当!? 「褒めて伸ばす」「褒めて育てる」いう言葉をよく耳にする。果たして本当にそうなのだろうか。自分自身を振り返ってみると納得できる部分もあるが腑に落ちない自分もいる。でも、今の子供は自分とは違うのかと納得させようとしても数十年で脳が進化するとも思えない。  1990年代にこの疑問のヒントになるような実験がコロンビア大学で行われている。  テストを実施した子供に声をかけ、別の難易度の異なるテストを選んでもらうという実験だ。声のかけ方3種類である。結果は、以

          【エッセイ】褒めて伸ばすって本当!? 空気を読む脳(中野信子)

          【エッセイ】空気を読む脳(中野信子)

          思春期 思春期:子供から大人への移行期間  この言葉はよく耳にするが、その正体はどこかぼんやりとしている。「思春期だから」で済まされることが多々あるが、正体が分かれば、アプローチの仕方も変わってくるのかもしれない。  人間は、遠くの時間の考える前頭葉がこの時期に成長する。個人差はあるが、7~9歳ごろから成長が始まり、11~13歳ごろに一気に分厚くなり、その後も少しずつ成長を続ける。この時期に悪い条件が重なると、先を考えるが困難になる。  思春期には、悪い人がとても魅力的に

          【エッセイ】空気を読む脳(中野信子)

          【エッセイ】空気を読む脳(中野信子)

          協調性とは  人に何かされたら、それ以上にして返すことには価値があり、美徳とされている。しかし、その手間を考えると、多少無理をしても一人でやってしまいたいと考える。これが逆に働くと、自分一人が自己犠牲を強いられる、もしくは、不公平な仕打ちを受けると、損をしてでも、「復讐したい」と燃えることとなる。  この「復讐したい」という心理には、中脳にあるセロトニン受容体の量が関与している。少ないほど、「復讐したい」という心理が強くはたらく。  協調性があると言われる日本人は、世界的にセ

          【エッセイ】空気を読む脳(中野信子)