ものづくり系コンサルが薦める本 Vol.7 「シン・営業力 天野眞也著」
✔ 著者は元キーエンスのトップセールス、現在は株式会社FAプロダクツ
代表取締役会長
✔ B2Bの営業手法の参考になる
✔ 「営業しない営業」という独自メソッドを提唱、お客様のほうから
案件が舞い込んでくるようになる!
✅(B2Bの)営業の原理原則とは?
「口下手な人=営業ができない人」ではない。
「法人が存在する理由」は「利益を出すこと」、つまり顧客(法人)の行動原理は「利益を生み出せるかどうか」である。
顧客の「(設備などを)買う」という行為は、利益を生み出すための「投資」行為そのもの。
よって、営業は自社の製品・サービスに「投資」してもらうことよって、どれだけ顧客の「効果(利益)」が出るのかを証明することが大切。
次に、営業の相手は「法人」ではない、「法人のなかの個人」である。いくら顧客(法人)に利益をもたらす提案でも、その「法人のなかの個人」の欲求を無視したものでは、その個人は動いてくれない。「提案はいいがリスクがある。失敗したら出世できない。。」みたいな感じでしょうか。
よって、営業は「法人の利益」と「法人のなかの個人の利益」の双方を満たす提案を心掛けるべきである。
✅「観察眼」を磨け!
「観察眼」とは物事の本質を理解し、現状を正しく認識するための視点。
まず、自社・自社製品のバリュープロポジションを明確にすること。
バリュープロポジションとは、①顧客が望んでいて、②競合他社が提供できないが、③自社や自社製品では提供できる「価値」、のこと
バリュープロポジションを明確にし提案書に盛り込めば、口下手でも顧客には刺さるっ!
✅「戦略眼」を磨け!
「戦略眼」とはゴールに向かって辿り着くまでに必要とされる俯瞰的・洞察的な視点
とにかく数をこなしまくるのも立派な戦略!
顧客が欲しい、というタイミングで訪問すれば、購入につながるので。
顧客が目指したいゴールを理解し、そのゴールに向かって一緒に伴走することで、「ビジネス上のお付き合い」から「戦友」になることができる。そうなると、案件が顧客から舞い込んでくるようになる。
✅法人営業は情報が命!
4つの情報を戦略的に収集すると、勝ち筋がみえてくる。
「組織情報」顧客の会社組織の全体像と各組織の機能をまとめた情報
「担当情報」「法人のなかの個人」の役割や決裁権、裁量、興味関心などをまとめた情報
「案件情報」顧客社内でのプロジェクトの情報
「工程情報」顧客の案件がどの工程で何をやっているかまとめた情報
✅情報収集する仕組みをつくること
情報収集するには、顧客内のたくさんの人に会う必要がある。
そのうちに気の合う人に出くわすので、その人に自分のファン(味方)になってもらう。
そのファンから競合の動きや新規案件などの情報など連絡してもらえるような流れをつくりだす。
さらに大ファンになると案件を紹介してくれる。
✅この本で学んだこと
「他人に惜しみなく与える人、「ギバー」であり続ける営業こそ、時代を切り拓くことができる。」 本の冒頭に出てくる言葉です。
「顧客の為に」とよく口にする一方で、「必ず受注とってこい」「とにかく製品を紹介してこい」、など自社の都合を押し付けるような指示を出す上司はいますよね。。こういう上司に是非読んでもらいたいですね。
あと、その上司の下で苦しんでいる若手営業マンにも是非読んでもらいたい内容です。
営業は煙たがられる存在ではなく、本来は感謝されるべき人だということがよくわかりました。