【小説】映画館にて
男:よし、行こう。掃除。掃除。
いやー、今日もいろんなもん落ちてるなー。
女:暗闇でもの食べるんですからそうなりますよね。
男:確かにな!
ポップコーンって、意外と手からこぼれ落ちるんだよな。
女:高野さん!
男:ん?どうした?
女:これ。
男:ん?指輪だな。
それにしても、でっかいダイヤだな。
女:これ、相当高いですよね。
男:本物だったら高いだろうなー。
女:あとで事務所に届けておきます。
男:ああ、ありがとう。
なんでそんな高価なもの落とすかねー。
俺だったら、1分に1回は確認しちゃうけどな。
女:持ち主は本当のお金持ちなんでしょうね。
男:そうだな。
だから、落としても平気なんだろうな。
実際、まだここに戻って来ないし。
女:でも、なんか不思議です。
男:何が?
女:そんなお金持ちでも、千いくら払って映画観に来るんだなと思って。
男:それは言えてるな。
それだけここには魅力があるってことなのかもな。
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