休職中にノルウェイの森を読むと人は号泣する
どうしてこんなに寂しいのか?
あまりにも寂しくて眠れなくなり、お守り代わりの睡眠薬を初めて飲んだ
適応障害と診断されたわたしはもちろん直子に感情移入をしていた
すると、とにかく寂しい
僕(ワタナベ)は絶対に自分(直子)の弱さが理解できないとわかっていて、
それでもつい救済を求めて近づいてしまう
僕も救済しようとしているのがわかるから、すがりたくなるが、どうやっても自分を理解できない溝というのが深く深くあって、
それですごく寂しくなる
直子は冒頭で井戸の話をする
それは誰も知らない場所にあって、
いつ落ちるかわからない
落ちてしまったらどうやって死ぬかはわからないけど、絶対に見つからないから助けは来ない
でも絶対に僕は落ちない
僕といる限り私も落ちない
落ちるというのは、婉曲にいうと休職に近い意味を持っていると思う
僕は絶対に休職をするような弱り方はしない
そういう人のまねをしていたら自分も弱くならずに生きていける
でもついていけない
僕は僕で喪失を抱えているから、
自分みたいに弱く見える時があるけど、
本当はすごく強くて、弱さを全く理解してくれない
それが頼りがいに見えて頼りたくなって、
頼っては悲しくなる
読んでから、わたしは何人かの顔を思い浮かべた
まずは僕に近い人が数人
その人たちはみんな強くて、優しくて、仲良くしてくれて、気にかけてくれる
1人だったらスイスイ登れる道を大丈夫?と心配して、私を支えてくれる
でもそれが心苦しくて、先にいっていいよと言った瞬間背中が見えなくなって、気づいたら落ちていた
真似して一緒に登りたかったけど、わたしには道がすごくすごく険しくて、全然ついていけなかった
それから今わたしを心配してくれている人たちの顔が思い浮かんだ
その人たちもすごく優しくて、頼りたくなる
わたしを探してくれているのがわかる
でも穴の近くに来たらその人たちも一緒に落ちてしまいそうで、それが怖くて申し訳なくて、声を出すことができない
最後に恋人との顔が浮かんだ
誰よりも会いたくて、助けて欲しくて、
でも穴に落ちている自分を絶対に見られたくない
向こうは気にしないってわかってるけど、
助けられたいのに助けられたくない