ウルトラQ第10話「地底超特急西へ」感想 〜そんなバカな話があるか!〜
どーもふじいです。
今回はウルトラQ第10話「地底超特急西へ」の感想です。今やウルトラQの枠を飛び出して有名怪獣となったM1号が登場します。
M1号といえばいつぞやの年末のガキ使で浜ちゃんそっくりな怪獣として紹介されてすっかり有名になりました。そんなM1号が主役の今回の話ですが、まー馬鹿馬鹿しい話で、それがまたいいんですよね。シュールさとやたら文学的なラストの対比がとても。
主な登場人物
万城目淳…相川教授から人工生命体の輸送を頼まれるが…。
戸川一平…いなづま号に乗りたいがために記者を装うが…。
江戸川由利子…毎日新報の記者としていなづま号に乗車することに。
相川教授…人工生命体M1号の生みの親。
イタチ…新東京駅で靴磨きをしている少年。地底超特急いなづま号に侵入する。
主任…いなづま号運転の主任。東京の本部から指示を出す。
あらすじ
東京-北九州間をわずか3時間で繋ぐ夢の地底超特急、その名もいなづま号。記者たちを招待して試乗会が行われることになった。
新聞でその記事を見た一平、イタチ少年らはそれぞれいなづま号になんとか乗り込もうと画策する。
由利子は他の記者たちと共に主任の取材。なんだか歯切れの悪いのに自信満々な主任に呆れつつも由利子はいなづま号に乗り込む。
その頃、相川教授から人工生命体の輸送依頼を受けた万城目はその荷物を確認するが…。中身はなんとカメラ。人工生命体は…間違って一平が持っていってしまった。一平は記者を装っていなづま号に乗ったつもりが、なんと人工生命体を持ち込んでいたのだ!(とんでもないミス!クビや普通)
一方イタチ少年は友人の2人羽織で大人を装っていなづま号に乗車。かくして色々問題を詰め込んだいなづま号が新東京駅を出た。
一平が人工生命体を持ち込んだことはすぐ車内に伝わった。結局いなづま号内にある保管庫に入れて運ぶことに。しかしそれを撮影しにきた他社の記者が焚いたフラッシュが刺激となり、M1号は急成長。
人間の3歳児ぐらいの知能を手に入れたM1号は運転席を占領すると適当に弄り始める。いなづま号は完全に制御を失った。
運転士の判断で、M1号を乗せた先頭車両を切り離すことに成功するが、そこには色々あってイタチ少年が乗り込んでしまっていた。
時速600キロ越えで北九州に迫るいなづま号。
北九州には車止めが設置されていたが、そこに突っ込んだいなづま号は車止めごとその背後にあった発電所(ぽいところ)に激突して大爆発。
なんとか保管庫に逃げこんでいたイタチ少年とM1号はその勢いで飛び出して行って地球の周りをぐるぐる回ることになった。
M1号は地球をみてこう言った。
「私はカモメ、私はカモメ」
感想
いやーあらすじ書いたけども。
何が何だか。
それぐらい馬鹿馬鹿しくてシュールな話でした。
でもいなづま号の話やたらリアルでしたね。東京と北九州を3時間で繋ぐ夢の地底超特急。リニアモーターカーがなにかと取り沙汰されるこの時代。100年もすればリアルいなづま号が生まれるかもしれません。やー先見の明。しかもいなづま号が8割は地下を走ってるのもリアル。リニアも確かそんなもんですよね?
しかし人工生命体がとんだ手違いでいなづま号に乗ってしまうのはもうアホらしくて面白かったです。
そこからはもう不祥事に次ぐ不祥事。
危ないって言ってるのに勝手にフラッシュ焚いてM1号を急成長させてしまう記者。
先頭車両に子供が乗ってるのに気付かないで先頭車両を切り離してしまう運転士。
北九州の車止めがあれば時速600キロ以上で突っ込んできても80%で助かると断言して神頼みする主任。
現代ならもう各社大炎上でいなづま号はお蔵入りでしょうね。
結局イタチ少年は宇宙まで飛んでいってしまって、さながら人工衛星のようになってしまうのですが、イタチ少年は楽しそうだったので良かったのかなと。(まず間違いなく死んでるでしょうけど)
最後にM1号は「私はカモメ、私はカモメ」と言い残しますが、このセリフは元々ソ連初となる女性宇宙飛行士、ワレンチナ・テレシコワが自分のコードネームがわりだった「Чайка(カモメの意味)」を用いて、「Я чайка(私はカモメ)」と発したのが最初らしいです。
さらチェーホフの戯曲「かもめ」で主人公のニーナが繰り返し言う「私はカモメ」という台詞があり(こちらの方が時代的には前)、それでも有名なやつです。
テレシコワは初めて宇宙に飛び立った女性宇宙飛行士でその最初の交信が「私はカモメ」でした。人工生命体として初めて宇宙に飛び立ったM1号の最初の言葉がそれなのも納得です。
余談
相川教授を演じたのは塚本信夫氏。特撮では「帰ってきたウルトラマン」の防衛チームMATの加藤隊長、「仮面ライダー(新)」「仮面ライダースーパー1」のおやっさんこと谷源次郎を演じられておりました。
仮面ライダーでの印象が強く、おやっさん的なイメージも持っていたのですが、ウルトラQ当時の塚本さんはまだ若かったですね。
いや塚本さんが若いって思えてるのは昭和特撮見過ぎだからかな…?
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