思い出とこれから

仕事として外国へ行かせてもらえる立場にいて、実際に社会人生活の7割は海外での暮らしをこれまでしてきた。これまで中東、東南アジア、アメリカでの暮らしを経験し、それを経て、今、私の心の中の思い出として強く感じることができるものは、日本にいた3割の時間の中にある。その短い期間の中で得た記憶だからこそ、際立つ日本での生活の一つ一つの思い出。肌の色も髪の色も似たり寄ったりの人たちの人混みの中を、同じような外見で一般市民の1人として歩いていると、知り合いなんて1人もいない、けれども自分が風景の一部になっている感覚がある。その感覚が生まれる確実に何の根拠もない、いわば、幻想とも言える感覚でしかないのだが、その幻想を使って、これからの生活の指針を作り上げることができる気がしている。

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