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賢木⑪ 詮子と弘徽殿の相似 史実と共有する帝の御名


【史実と共有する 朱雀帝 の御名前】

😦源氏物語では、『賢木』巻の今は朱雀帝の御代なのだけれど、
😮源氏物語に出て来る朱雀帝も冷泉帝も、実在の帝諡号(しごう、おくりな) と同じ御名前なのね。

≪ 源氏物語と史実の 朱雀帝 と 冷泉帝 ≫

😒不倫小説に実在の帝の御名前とはいかなる不敬かとも思っちゃうのだけど。
😀実はね!実際の源氏物語では、朱雀帝、冷泉帝とお呼びしている場面はもちろんないのよ。
😮😮😮へえええ!!!
😦一天万乗の御在位中の帝は御一方しかおられないのだから、帝と申し上げるだけで、今上陛下と申し上げるのと同じことなのよ。
😮😮😮確かに!

😀源氏物語での 朱雀帝朱雀はだいぶ後の『少女』巻で、冷泉帝冷泉は源氏没後の『匂宮』巻で、初めて出て来るの。
😀帝の御名前みたいにお呼びしてるけれど、それぞれのお住まいの、言ったら御住所でお呼びしてるんでしょうね。

😀身分の高い方の御本名というか (いみな)は、お呼びしないのね。
😀名前を呼ぶということには、人格を支配する力があるということらしいの。
😀だから、主人は家来の名前を呼んでもいいけど、家来は主人の名前を呼んじゃいけないのよね。時代劇でも、頼朝様とか言わないで、御様(おやかたさま)とか呼んでるわよね。
😮親方様ではないの!
😮殿様も、東三条殿とか土御門殿とかの、建物を示す殿からの殿様なのか!
😮😮😮おお!

😦『呼ばう』って結婚するという意味のことなかったっけ。
😮ああ、あったかも!
😍『夜這う』かもしれないけど、名前を呼ぶのが結婚って、、『名を呼び合う』=『許し合う』っていうことなら、ちょっとロマンティックじゃない?
😦安倍晴明様が、妖怪に名前を呼ばれたら負けちゃうから、名前を知られない為に火の玉なんか飛ばし合って必死の攻防戦、みたいなドラマをみたことがあるような気もする…。
😮そりゃあ、帝の御名なんかお呼びできないわ!

😦頭中将だって、固有名詞じゃないのよね。
😦名前わからないから、しょうがなく、内大臣になっても、太政大臣になっても、固有名詞のように頭中将と思って読むの。
😦名前がわからないまま、課長とか専務とか社外取締役とか呼び方が変わっていくけど、その人の人格は連続してます、みたいな…。
😦島耕作とか?名前が付いててくれればいいんだけどねえ。
😵名前がわかってないって、不便ねえ。
😮😮😮ねえ!

🤔源氏物語の現代語訳では、簡略化の為に、固有名詞的に朱雀帝、冷泉帝とお呼びしているけれど、当時の読者はどれぐらい近々の帝と同一化して読んでいらしたのかしら。
🤔朱雀院ということから、実在の朱雀帝のことを少しは連想したのかもしれないわよね。
😮祟りの連想として?
🤔讒言で陥れられた道真様の祟りから、御遺言を違えられた桐壺院の祟りが連想され易かった、ってありそうな気はするけれど、どうなのかしらねえ。

【弘徽殿女御と国母詮子の相似 栄花物語】

😀ついでにね、『栄花物語』で、伊周様の大元帥法のお話の近くに書いてあるから。
😀源氏物語の弘徽殿女御と実在の詮子様が、ちょっと似てらっしゃる?という話ね。

≪ 詮子、道兼、伊周 ≫

😀『栄花物語』のね、
詮子様が、伊周様でなく道兼様を推していらっしゃるという御意向が明らかになって、世人が残らず道兼様の門前に詰め掛けたというところとね、
😀『源氏物語』のね、
桐壺院がお隠れになった途端に、右大臣方に世人が門前市を成して、それまで源氏の邸に詰め掛けていた御機嫌伺いの人、車、馬は全部ぱーーーっといなくなっちゃったというところがね、
😀😀😀そっくりなのよね。

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📖2 詮子様の御意向 と 道兼様への御機嫌伺い
   🌹
(原文)女院の御心掟も、粟田殿知らせ給ふべき御ことどもありて、そのけはひ得たるにやあるらん、世の人残るなく参りこむほどに (栄花物語 巻第四 みはてぬゆめ より)
   🌷(概訳)詮子も次の執政は道兼にという意向であると伝わって、世間の人は残らず、道兼の門前に市を成すばかりに参っている。
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📖3 道兼様の関白宣旨 から 道兼様への御機嫌伺い
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(原文)世の中の馬車(むまくるま)、 ほかにはあらじかしと見えたり(栄花物語 巻第四 みはてぬゆめ より)
   🌷(概訳)関白の宣旨を受けた道兼の屋敷には世の中全ての馬と車が参って、他にはもう一台も残っていないように見える。
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😀意地悪ついでのおまけね。これちょっと可愛くない?栄花物語の、これも、すぐ側に書いてあるの。
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📖4 付録:伊周の落胆
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(原文)内大臣殿には、よろづうちさましたるやうにて、あさましう人笑はれなる御有様を一殿の内思ひ嘆き、掻膝(かいひざ)とかいふさまにて((栄花物語 巻第四 みはてぬゆめ より)
   🌷(概訳)内大臣(伊周)は、すっかり諦め果てた様子で、みっともなく人の物笑いの種になっているのを、邸内の者は、膝を抱えて嘆いている。

≪ 掻膝(かいひざ) ≫

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😦膝を抱えて嘆いているのは伊周様ではなく邸内の人たちみたいよ。
😦あら、そうなの。
🤔伊周様は、しょんぼりどころではなく、すご~くがっくり来てらっしゃるのかしらね。
😮掻膝(かいひざ)って、邸中打ち沈んでいる様子が目に見えるような言葉だわね。
🤔基本椅子のない生活なら、立膝も普通のことだし、それほど特別な形でもないのかもしれないけれど。
😄でも、なんか、体育座りでしょんぼり、みたいな感じが、やっぱりちょっと可愛く思えちゃったわ。
😣ほんとはすごくお気の毒な感じなんでしょうけどね。

この部分の周辺に関する動画です。
🌷【1】幼な妻 源氏22歳 若紫14歳/禁忌への執着/朧月夜/朝顔女王 源氏物語 賢木⑥

https://www.youtube.com/watch?v=SIMM3qu50EY

🌷【2】賢木⑧後宮との密通、叛逆、サディズム


                        眞斗通つぐ美

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