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5 帝の閨房的な…(2)花山帝の場合
花山帝の御無体
帝が、居並ぶ廷臣の前で、寵姫を御帳台に引き込み情交されたという話があったような気がしていたのですが、見つけられないので、花山帝の即位式の日のこの事件を間違えて記憶していたのかもしれません。
そろそろでございますと高御座に近付いた者が、帝の御礼装の金具が揺れて音を立てているのでそれと知れた、という話が『江談抄』と『古事談』という書物に書かれているが真偽は定かではないということのようです。
大正天皇の御即位の図です。
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花山帝の御即位とどれぐらい違うのかわかりませんが、花山帝の御世にも、高御座のあまり遠くない外側に人が沢山集まっていたのでしょうね。
馬内侍
この時に帝が引き入れられた馬内侍という女官は多くの高官と関係のあった華やかな女性だったようです。
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大正天皇の御大礼の図は『大正御大禮繪卷 御大禮奉讃會』という絵巻の複製からです。
高貴の人の ❝御戯れ❞ について
📌 桐壺帝が桐壺更衣を御側から離されなかったという御扱いはどれぐらい異例だったのでしょうか。
召人と呼ばれる階級の女性に対してはそのような配慮というか決まりごとはなかったのかもしれません。
召人という身分があったのかどうか。お気に入りとかお手付きとかいうような流動的なニュアンスだったのでしょうか。
光源氏の帰りがけの❝御戯れ❞
後に、六条御息所のところからの朝帰りを見送る『腰つき、 たをやかになまめきたる』女房 を、源氏が暫し高欄に引き据えて手を握るという場面があります。
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今ならセクハラとしか言いようがない行動ですが、そういうゆるゆるの日常だったからこそ、正式な妃には形式に則った正式のお召ししか許されないということでもあったでしょうか。
眞斗通つぐ美