今年1回目の日記ですよ。
朝のテレビ番組を眺めていた。
「NOTEって知っていますか?」
街頭インタビューの映像だった。
「ノートねぇ・・・」
こたつに入りながらその男はボソッとつぶやいた。
ボソッとつぶやいた男・・・
おや・・・この男といえば数々の異名を持ち合わせていた男・・・
不撓不屈のTシャツ男
内定によって目覚めた伝説のスーパーサイヤ人
スパッツ
夜王
KJN(根性なし)
前橋の王子
弁天橋のプリンス
そう・・・持ち合わせていたのだ・・・
どれもこれも10年以上・・・いや・・・ものによっては20年近く前に・・・
いやそれはない。
しかし今はこの男の異名などどうでもいいのだ。
男が自身の異名に思いを馳せている間に番組は進む。
「ブログよりも簡単に副業ができます。」
「ほぅ・・・副業・・・つまり金が得られるってわけだ・・・」
しかし、今のこの男に価値があるのだろうか・・・
「価値があろうかなかろうが、そんな事はどうだっていいじゃねぇか」
男はそう思った。そして男の頭の中にはある人物が思い浮かんでいた。
何もかもが太い男・・・
「ふっ・・・松尾さん・・・アンタが思い浮かんだよ。」
とボソッと独り言が口から出る。
「ねぇ・・・さっきから一人でぶつぶつ言ってて気持ち悪いんだけど。
じゃあアタシもう行くから掃除や洗濯よろしくねパパちゃん♪」
と、顔に魔法をかけ終わった家内はそう言い放ち家を後にした・・・。
一人・・・残り約30年ローンのマイホームに取り残された男・・・
「ふっ・・・夫婦円満の秘訣は夫が妻の尻の下にしっかり敷かれるってわけさ・・・」
男の独り言がリビングに寂しく聞こえる・・・
おや・・・この男といえば異名の中に「万年フリーの男」があったはずだが・・・
あれから何十年・・・さすがのこの男も万年フリーではなくなったってわけだ。
「さて・・・と・・・パパちゃんは洗濯でもするか・・・」
その男、篠八の休日が始まる。