今年3回目の日記ですよ。



この男が本気を出す時はどういう時だったのか…

あれだ…
刃牙君が軽く何度かジャンプするように…
彼をイメージしながら男も軽く何度かジャンプする…

しかし格好は彼のようなファイトスタイルの時もあれば、今の男が出来る1番のオシャレをするのだ…

「ふっ…いいよなぁ…刃牙君が軽く跳ねるあれ…
よく真似してやったなぁ…あれ…」

男は思い出していた。
自分の本気を引き出してくれた恋人を…












「じゃあ明日10時にね。」

彼女と約束をした。
まるで初めてのデートの時の緊張感…。

しかし、これが彼女と行く最後のデートかもしれないと思い、絶対に気を緩めることはない。

その2つの思いを胸に、dreamワールド行きの列車へと乗り込んだ…。

目が覚める。
目覚めが良かった。

そして直ぐに時間を確認する。


時間は10時31分…。


…。


時間を確認する。
時間は10時32分…。

やらかした…。

彼女との約束の時間は既に破られていた。

しかし、男は焦って支度をすることはなかった。

約束を破ったことは悪いし、もう仕方がない。

しかしだからと言って付け焼き刃の格好で行くのはもっと悪いことだということを男は知っていたからだ。

初めてのデートの時もそうだった。

待ち合わせ場所に現われた俺を見て、
彼女は公衆の面前で吐き捨てた。

「何その格好…」

その事を昨日のことのように思い出していた。
まるで山本リンダである。

【世界一の男だけ、
      この手に触れても構わない。】

そう言わんばかりである…。

だから彼女と会う時は絶対に手を抜かない。
自分が今出来る最高のオシャレで、彼女を迎えに行くのだ。


時間は午後の3時を過ぎた頃だった…。


「お待たせ。」


俺は彼女の前に姿を現した。
しかし決して時間に遅れたことは謝らない。

何故なら彼女は遅刻を問題にはしないからだ。

彼女が気にするのは俺の格好だけである。
本気か手抜きか、それだけである。

「久し振りね。」

ほら、やはり時間のことは気にしない。

というか、この返事だと、自分の格好が手抜きでないことを認めたのだ。

「あぁ。それよりどうする?3時のおやつにデザートとでも食べに行く?」

「いらないわ。」

即答だった。

機嫌が悪いのかと思った。


「じゃあ」
「だって私にとっては貴方といるこの時間が、まるでデザートの様な甘い時間なんだもの。」


強烈な女性である…。
こういう言葉をサラッと言って来るのだ。

しかも俺にとってキュン死にの言葉…
思わずもってかれそうになるが、
そうはいかないのだ。


「ドSのくせに。」


「あら?どうして?」

そう言う彼女はきっと
満面の笑みをしているに違いない…。




「だってここは…
ブートキャンプじゃないか、シェリー…。」
そして俺も満面の笑みに違いない……









「ふっ…シェリー…元気にしてるかい…」

しっかり妻の尻に敷かれている男、
篠八は一人夕飯で使用した食器を洗いながらボソッと言った…


「明日の夕飯は…カレーでもどうだろうか…」


おや…カレーと言えば…

OK。この続きはまた明日。


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