[創作]喝!喝!
父親は息子のことをお前と言うくせに、息子からお前と言われることは嫌らしい。
あえて言おう、断じて嫌らしい。
一人の青年が素振りをしていた。
竹刀を振りかざしている。
青年は一つ一つ、一回一回に言う。
1回目
「死ね!」
2回目
「不満!」
3回目
「効率!」
4回目
「有意義!」
5回目
「矛盾!」
6回目
「愚か!」
7回目
「期待!」
8回目
「段取り!」
9回目
「死ねない!」
10回目
「笑えない!」
11回目
「ふざけられない!」
12回目
「かっこいい!」
青年は喝!喝!と叫んでいた。
青年の身体はバキバキと筋が入っていた。