期待を超えるデザインに必要なものとは
これは私の仕事の中でも大きなテーマとしていつも考えています。
期待を超えるとは、相手の創造を超えるとも言えますが、決して突拍子もないデザインというわけではありません。
目的、要望に対して、このような表現があったのか、と思っていただくもの。
違うアプローチで表現を試みて、より効果的のあるものをつくること。
時には大胆さも必要でしょうし、発想の転換も必要でしょうし、視点を変えることも必要だと思います。
ただ、単に大胆にすれば良いというものではありません。それはあくまでも表面的なものだと思っています。
結局は一番大切なことは本質をとらえること、理解することだと思います。
仕事ができる人と話していてこのことはいつも感じています。本質をすぐに見抜き、課題に対するアプローチを適切に行う。仕事ができる人の持つ、大切な能力のひとつだと思います。
ではその力をつけるためにはどうすれば良いか。
「これ」という明確な答えは持ち合わせいませんが、ひとつ挙げるとしたら普段から周りにあるものを漠然と見ずに、いろんな角度からいろんな観点から見て、その意味や意義を考えていくことだと思います。そういった意味では「チコちゃん」は立派だなとつくづく感じてしまいますが・・・・。やっぱり固定概念をどれだけ無くし、視野を広げることも大切なことなんでしょう。
固定概念と視野を広げる。これって阻害しているひとつに「私念」があると思います。自分というものを捨てて、素直な心でいろんなことに触れ、考え、吸収していく。ここでふと浮かんできたのが大谷翔平。彼は純粋に野球を上手になるために、いろんなことを常にフラットに見ているような気がします。生まれ持った身体能力ももちろん大きな要因でしょうが、それとともに彼の成功要因として「私念」無しにものごとから大切なこと=本質をつかんで、それを実戦しているから成功者としての道を歩んでいるのではと思います。
それと物事を大きな枠でとらえ、多くの事象に当てはまる原理原則なるルールをどれだけ感じ取れているかも、本質を見抜く上では大切なことだと思います。いろんなことを紐解いていくと、行き当たる原則は多くの場合、重なることが多いと思います。
それを身に付けるためにどうすれば良いか。ひとつには、あることを極めるというのもあると思います。
ポッドキャスト番組を配信しているある経営者のお話しですが、その方の言われることは、とにかく説得力があり、いつも本質をとらえた発言だなと思っていました。持って生まれたものもあるでしょうし、仕事柄いろんなレベルの高い方と話をされるので、そこからいろんなことを吸収されていると思います。
でもそれだけはないのでは、というのが私の推測です。実はその方は、マンガが大好きで、どんなに忙しくても毎晩寝る前にマンガを読んでいます。最初聞いた時には違和感がありましたが、ここにこの経営者の思考のヒントがあると思います。マンガといえばいろんな作家がいろんな心理現象をストーリーに組み込んで、読者をひきつける工夫を凝らしていく。作品の数だけストーリーはありますが、実は成功しているマンガにはひとつの原理原則があると思います。優秀な経営者なのでただひまつぶしのように読んでいるのではなく、その大きな原理原則というものをつかみ取っているのではないのでしょうか。マンガ道を極めるような日々のルーチンと。それを継続しているからこそ身についているのではと思います。
いろいろ考えてみましたが、結局、答えは人それぞれかもしれません。でも自分が思うことを常に実践し、ちょっとでもレベルアップしていきたいと思います。そのためには日々の過ごし方。1日24時間しかありません。誰にでも平等な財産でもある時間を有効に活用し、本質理解力アップをこれからも心掛けていきたいと思います。