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ダメダメ英会話で気づいたこと。ルールを変えるって大切かも。
私のお客さんで、海外へ販路を広げている会社があります。そこへ訪問した際、部長さんから「今日の商談を英語でやってみよう」という提案がありました。
この方、海外展開に力を入れている企業の部長として、日常会話程度は話せるようになりたいという思いから、毎朝英会話の勉強をされているとのことです。学生時代は英語が大嫌いだったそうですが、始めてから2ヶ月ほど経った今、まだたどたどしい感じが全開といったところです。
私自身、受験英語しか学んでおらず、最後に英語で会話したのは20年ほど前の新婚旅行でイタリアに行った時。夕食時に隣のアメリカ人に話しかけられたり、オーストリアでタクシーの運転手と会話したりしたことがありましたが、アメリカ人との会話は20%程度しか理解できなかったという屈辱の記憶があるくらいで、基本的に英語を話すことはできません。
そうして始まったダメダメ英会話商談。まったく自信はなかったのですが、ダメさ加減は想像以上でした。文法どころか単語も出てこない。その惨状は予想を超え、「私は知りたい」の "I Know" すら頭の中から絞り出せませんでした。それでも部長さんは意外と楽しんでいたようで、途中から総務の方にも声をかけ、さらなる会話の輪が広がっていきました。私がぶっちぎりのダメダメ度でしたが、意外な盛り上がりを見せ、次回は英会話飲み会を開こう、という話になりました。
突然すぎた英会話でしたが、私自身、想像以上に楽しかったことに驚きました。部長さんがうまく笑いを取って場を盛り上げてくれたことも大きかったですが、何とか伝えたい、何とか伝わったという純粋な感動がありました。普段使わない脳をフル回転させ、全力で言葉を振り絞る。そのせいか、いつも以上のハイテンションで、これらすべてが楽しかった要因だと思います。
でも冷静に振り返ってみると、一番の要因は「伝わる」ということ、「分かる」ということだったと思います。
ダメダメイングリッシュなので使う単語は中学レベル。当然、内容もまったく深くありません。シンプルな表現の応酬。それでも、何とか最低限のコミュニケーションはできましたし、なぜか「これでもトークって成立するのかな」と感じました。
私たちが使っている日本語は、世界的に見て珍しい言語と言われています。ひらがな、カタカナ、漢字があること自体が複雑さの一因でしょうし、同一民族として長い年月をかけて成熟した言語ですから、表現の幅も広く、いろいろな繊細なニュアンスをさまざまな言葉や話法で伝えることができます。
もちろん、この奥深さは素晴らしいものですし、大切な文化だと思っています。でも、そのせいか、実は私たちの言葉が複雑すぎて、そこから生じる弊害もあるのではないかと思いました。
ダイレクトでない表現や中途半端なもの言い、どちらとも取れるようなニュアンス。普段の仕事でも「伝わらない」と感じることが時々ありますが、それはひょっとすると、日本語という言語そのものが要因かもしれません。
伝えるための言葉の使い方。意外と他の言語を使うことによって気づきが得られ、改善できるポイントかもしれませんね。とはいえ、私の英会話レベルはまだまだなので、もう少し勉強して言語観の違いをもっと感じてみたいと思いました。
時にはルールを変えて何かをやってみる。気づきを得るには大切なことだと改めて感じました。