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【1型糖尿病】治療において有益だったこと【カーボカウント/インスリンポンプ】

ご覧いただき誠にありがとうございます。

単発の記事であるため前後の話が分からなくても、お楽しみいただけるものとなっています。

これまで大枠1の「発病から入院」は時系列に沿って、執筆して参りました。(もし興味がある場合はこちらからhttps://note.com/modern_ixia588/n/nfbc80b9d24cc)

大枠2の「学校生活での苦悩」はまず最初に経験したことでタメになった題目(今回の記事)を挙げて、その内容について記載し、その後別の記事にて時系列に沿って執筆していこうと思います。

※私の場合はこうなので、皆様もこうしたほうがいいですと決して推奨するものではありません。
基本的に治療法が確立しているものや、医者に指示されているのであれば、そちらを実践するようにお願いします。


以下より本編開始です

◎カーボカウント
1単位の注射でどのくらい血糖値を下げることができるのかを計算である程度求めることができる。
摂取する炭水化物量に応じて、注射の単位数を自分で決めることができるのでかなりの利点といえる。
大学生になり大学病院へ転院した際に医者から教わった方法である。

私の場合だと、炭水化物摂取量が110gだとするとその食事のインスリンの単位数は11となる。
食前の血糖値が200を越えていたとしても、少し多めに注射するなどはせずに、純粋に摂取した炭水化物の量で単位数を決めていた。
この高血糖状態が続き単位数を調整するとしたら、寝る前の注射を、インスリンポンプではベーサルを変更していた。


◎インスリンポンプ
※器具の名称や薬液注入までの手順はご自身でお調べください。

この器械と出会うことで、糖尿病治療の価値観が激変した。
中学高校の時に、これと出会っていれば隙を見て他人に気づかれないように注射をしなくよかったのか。としばしば思う時がある。

私は普段左の腸骨とベルトが重なる部分に、ポンプの留め具部分を挟んでおり、注射が必要な際はノールックで左手のみの操作をしている。
15単位打ちたい場合は操作キー↑を長押しすることで、器械が振動します。
その後10回↑を押すことで(毎プッシュごとに振動する)15単位という操作をしていた。
(1回の↑入力をあらかじめ1.5単位に設定)


 このような画期的な医療機器を使用することで、メリットがあるのでいくつか紹介していく。

・よかったと感じたこと
①他人の目を気にしないで好きなタイミングで注入できること
これひとつで後出するデメリットを相殺できる。
対面で食事をしていれば机で腰の部分は隠れて見えないため、余程でない限りは気づかれる心配はない。

②針を挿す回数の減少、注射薬が一つで済む
1型糖尿病はインスリン注射が必須である。
→すなわち食事の注射と寝る前の注射2種類が必要となる。
インスリンポンプの治療は、食事の際に打つインスリンのみで行えるようになる。(バイアルタイプのインスリンを処方してもらわなければならない)
カニューレの交換時しか、身体に異物をいれないので挿す回数が減るようになる。

③注入履歴が残ること
インスリン注射に慣れてくると、私の場合机に置いてある注射は打つ前なのか打った後なのかわからなくなります。
打った記憶が全くないのである。
ポンプ導入前は毎回ではないですが、あえて痛点を外さないで注射したり、手の甲やふくらはぎに打ったりして痛みで注射したことを忘れないようにしていました。
いつ何単位注入したか履歴が残るので、私にはとても重宝しています。


 使いはじめて数日は、目新しいものを使用していることで気がつかなかったが、使用していくうちに不便に感じることもいくつかでてくる。

・不便に感じたこと
①皮膚が弱いと痒くなる
お腹にカニューレが数ミリ入っている状態なので、動かないようにするため粘着物を貼ることになります。
1本のシリンジで欲張れば注射1本分くらいは確保できる。
そうすれば私の1日の総単位数では数日間貼っていることになる。(最長でも2日で交換するように説明を受けると思います)

この状態だと皮膚の弱い方は被れてしまう可能性がある。
私の場合は被れてしまったら、皮膚を休めるという意味で改善するまではインスリン注射に切り替えていました。

②やせ形体型であるが故に、カニューレ装着の手技ミスが許されない
インスリン注射と違ってやり直しはできない。やり直す場合はひとつ無駄にすることになる。
インスリン注射のように皮膚をつまむなどの行為はしてはいけないため、いかに皮下脂肪の多いところで痛点を外すことができるかが勝負となる。
注射の針を挿すときなど比べ物にならないほど、こっちの方が緊張します。

たまたま採血検査の前日に、カニューレを交換したことがあった。
手技に失敗して筋肉まで届いてしまったのか、痛みがかなりでてしまった。
それでも交換しないで生活していたのだが、採血項目のCK値が飛び抜けて異常値を示してしまった経験がある。
痛みがでたら我慢しないで交換することを勧めます。
場数を踏めば、上達するのでこれはそこまで問題にはならないだろう。

③気がつく人は一定数いる
日常生活をしていると腕を動かすことやシャツをズボンに入れ直したりすることなどあると思います。
そのような動作で一瞬だが器械が顕になります。
その際に腰に何を付けているのかと、察することのできない輩が訊いてくる場合があります。
(最新型の万歩計を付けていると軽く嘘をつきましたが、コードが身体に続いているのはおかしいよね?って切り替えされました。
見ている人はかなり細部まで見ています。)

私は社会人になって腕に血糖値センサーを付けていた時期があったので、そもそも周りにばれることは気にならなかった。
もし周りにばれたくないのであれば、一番外に着る服をワンサイズ大きめものにすることを勧めます。

④カニューレ交換時、次に新しく貼る場所がない
何日間もカニューレを埋め込んでシールを貼っているため、剥がす際は臭いはするし皮膚は汚れていてシールでベトベトな状態。
埋め込んだ場所には穴が空いている状態で極めて不衛生である。
そんな場所には重ならないように貼りたいと思うのが人の性。
次に貼る場所を求めて正中線側に寄ってしまうと、薬液注入時に薬液が管をうまく伝わらず、ポンプのピストンがきちんと行えずにエラーになることがある。(完全なる個人的推察及び偏見)

私は利き手側のお腹周りに注射をすると、神経を傷つけたような強烈な痺れが全身を襲うことがあるので、反対側にしか行えない。
慣れてくると、利き手側ではない方でもカニューレを固定する場所を最低2箇所は確保できるようになるので、②同様場数を踏むしかないだろう。



 インスリンポンプのひとつの機能として、炭水化物の摂取量を入力することで自動で単位数を決めてくれるというものがある。
お店のコース料理などはこの機能は合わないけれど、お弁当や冷凍食品などは炭水化物量が記載されているので、使用するメリットは大いにあります。

インスリンポンプのものによっては、1単位でどのくらい下げることができるかの数値もいれることができる。
これと炭水化物摂取量で、ほぼ確実に食事毎に自分にあった単位を注入することも可能になる。
素晴らしい機能であるが、私の場合は医者が了承してくれなかったので、自分でカーボカウントを行って注入しています。


〜結論〜
インスリンポンプひとつで治療の幅が広がり、色々な選択肢が増えます。
私はインスリンポンプを経験できて良かったと心から思います。

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