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母親の認知症生前対策(中編)

前編に引き続き、自分の母親に対応した「認知症生前対策」に関し、リライトした記事をお届けします。

高齢の親を持つミドル・シニア世代の方、親元から遠く離れた地域や海外で暮らしておられる方、年齢に関係なく興味がある方はお読みください。

結論は、家族信託の目的:受託者(私)は受益者(母親)に対し、「健康で文化的な生活を送るために必要な財産的給付」を行い、その生活を支援することが目的。

家族信託は認知症だけのためではなく、認知症以外も幅広くカバー可能だということです。 
 



年齢を理由に「対処できない」と決めつけないこと


東京の司法書士とのキックオフは、母親(福井在住)と先生(東京)を繋いだZoomでのオンライン会議でした。

母親はパソコンに触った事がありません、操作も全くできません。オンライン会議に参加するのも初めての経験です。

PCのカメラは何処に付いていて、どの部分を見て話せば良いのか?初めてだらけのことなので緊張していたことと思います。

いざ始まれば…

老眼鏡を掛けながらも(笑)、画面向こうの先生とスムーズに受け答えが出来ていることに驚き。

・家族信託とは何か?
・健康で文化的な生活とは?
・後見人制度との違いは?

丁寧かつ平易な言葉で話される先生の説明で理解が進んだようです。
 
母親は座っているだけで分からないだろうと、決めつけてしまった自分が恥ずかしくなりました。


人生初のオンライン会議を終え、

あ〜やっと肩の荷が下りたわ。安心して生活できるね。元気なうちにやってくれてありがとう!

(元気なうちにやって良かったんだ。こころが重かったんだ)

認知症のまま長生きした場合、自分の介護で金銭的な迷惑は掛けたくない。でもどうしたら良いのか分からないという「不安な気持ち」そのものだったのです

生前対策の目的(戦略)は
金銭的な負担を掛けたくないという母親が抱えた不安な気持ちを解消すること。その気持ちを解消するため、家族信託を選択した(戦術)。我が家はこのような整理となりました。
 


地元の金融機関で分かったこと


銀行に預けてある定期預金は、現金化しないと信託財産に入れられないと聞き、早速母親に同行して地元の信用金庫へ定期預金の解約に行きました。

■7月某日に訪問

窓口で定期預金の全部解約を申し入れ
⇒マニュアル通り、解約する理由をいきなり聞かれる
⇒家族信託契約を親子で結ぶから現金化し普通預金に入れて欲しいと回答

窓口の担当者は家族信託???の表情
⇒家族信託の事は分からないんだと理解する
担当者が上席に報告に行き、上席はどこか(本部?)に電話を掛ける
⇒担当者からは全額出金予定かと聞かれる
⇒時期が来たら何割かは出金する旨を回答
⇒担当者はほっとした表情で席に戻る


定期預金(預金債権)のまま保有している高齢者は多いと思います。
家族信託の組成を始める人が増えると、低金利という状況下でもあるし尚更定期預金の解約(現金化)が進むのでしょうね。


地方銀行や第二地銀は国内で約115行ありますが、商品として家族信託を取り扱っている銀行は半分程度。

注意すべきは、信託銀行や地銀の提供している信託(商事信託・財産管理信託等、呼び名は各行色々です)は最低預入額が高額だったり、不動産は信託財産に入れることができないとか、自由設計が出来なかったり。

個人の見解ですが、使いずらいという判断です。

同じ信託でも商事信託を扱っている場合が有ります。見分け方は商事信託だと受託者(管理や運用を託された者)に銀行や信託銀行、証券会社が入るので、本来の家族信託(受託者は家族が基本)ではありません。

家族信託の組成や司法書士の選定は、極めて大事だと思います。

理由は、あらゆる可能性やリスクに対応した信託契約に仕上げてもらうことが大事だからです。


導入時の初期費用とその後の継続費用


初期費用(1回だけのコスト)とランニング費用(継続コスト)に分けて考えます。

信託した財産の種類(現金・不動産・車・未上場株・有価証券等)や金額、選ぶスキームにより算定は変わります。ただし年金は一身専属権があり信託財産に入れられませんでした。

契約書作成費用や登記費用は信託する金額に関係なく別途発生します。

一度気になる方は、相談をされてみて見積もりを取っておくことをお勧めします。

地元の司法書士の先生に頼む手立ても考えましたが、この分野での取り扱い実績が重要なので、保険代だと考え東京から実績抜群の先生にお願いしました。家族信託の組成や相談は、事例を沢山扱い実績を積んだ司法書士やコンサルに頼むのが良いと思います。


最後に


前編記事を読んでくれた友人数名がこんなコメントを私に送ってくれました。

(Aさん)親子なので親の代わりにATMで簡単に引き出しができると勘違いしてたけど、ダメなんだね。
(Bさん)財産凍結は亡くなるまでずっと続くとは知らなかったよ
(Cさん)家族信託って、契約を結ぶ際に払う費用はどれくらい必要?

皆さんはご存じでしたか?

お一人お一人の環境や大事にしているモノ、考え方をお聞きし理解をした上で、お客様のために貢献できることを考え、提案していくのが相続相談専門家である私の役目です。

生前対応=家族信託の導入だけで完結・・・では全くありません。

■フオミタス福井オフィス

■フオミタス千葉オフィス

ご自愛ください。




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