種子と鳥と。(エッセイ)
私の家の近くには、グラウンドの様になっている場所があるのだが、最近そこが何処かの会社かに購入されたらしく、雑草が伸びては枯れてを繰り返していたグラウンドは、あっという間に綺麗になり、こざっぱりとした。
そんなこざっぱりとしたグラウンドに、今まで雑草に隠れていて見えなかった鳥たちが、落ちている種やご飯を食べに、ついばんでいる姿が顕(あらわ)になった。
……けれど、何か思ってたよりも鳥がやって来る数が、こざっぱりした今の方が多く感じるのは気のせいだろうか……?
何か、多く感じる。
チュン、チュン、チュン、チュン鳴いている数が、多い様に感じる。
「………気のせいだよね」
「というか、鳥たちは何を食べているんだろう?やっぱり種?…何にも地面に落ちてるの見えないけれど(笑)」
一体グラウンドの地面には、どんなものが落ちているのだろう。
けれど、1つ分かるのは、種と鳥の関係は、win-winだということ。
鳥たちは種を食べる。
その鳥たちが啄んだ種は、やがて鳥の排出物として外に出される。
良くも悪くも地面という地上に落ち、またそこから芽を出していくのだ。
種は、鳥に食べられる事で、自分では辿り着けない場所へと、鳥を通じて運んで貰っている。
持ちつ、持たれつ。
何というか、とても綺麗な循環の様に感じる。
そうやって、生きて、育んで、繋いで来たのだろうと思う。
人とは違う。
そんな、種と鳥の関係。
まっさらになったグラウンドを見ながら
こんな事を思った私なのだった。