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差し伸べてくれた人 855文字#青ブラ文学部
私の毎日はボロボロだった。
友達に誘われて行ったホストクラブにはまり、大学に通いながら水商売をする様になって、家族にも反発して、ホストである彼の事が好きで好きで仕方がなくなってしまった。
そんな時……。
「ねぇ、僕。いい加減、彼女を金づるにするの。辞めなさいよ」
「あっ?」
「……貴方も、本当は気づいてるのよね。彼、本当は自分の事を好きでもないって。貴方には外で手は繋げないって言ってた癖に、他の女の子とは繋いでいたものね。手」
「貴方も、こんな彼なら捨てちゃえば?」
◈◈◈
「それじゃあ、最初は難しいと思うけど、ああいう悪いホストに操られては駄目よ。」
「……はい。」
「あっ……!」
そう言うと、私をお店から連れ出してくれた女性は、自分の鞄から名刺を1枚取り、私に渡してくれた。
「……探偵………?」
「そ。私ね、探偵会社の社長をしてるの。ホストクラブに居たのも、貴方が好きだったホストについて調べて欲しいという依頼があったから」
「……そう……だったんですね……」
「…学生?」
「はい、大学生です。でも、将来の為にって大学に進んだ癖に、大学はつまらなくて、それで…こんな事に」
「……大学、つまんないなら辞めちゃえば?」
「…えっ?!」
「辞めて、私の秘書にならない?」
「えっ?……あの……っ」
「まずは見習いから。お給料はちゃんと出すし、福利厚生もバッチリよ。連絡は、名刺に書かれている番号に電話してくれたらいいから」
「あ、あの……」
「それじゃあ、これはタクシー代。
ちゃんとタクシーで帰るのよ。良いわね?それじゃ」
私は言われた通りタクシーで帰宅した。
渡された名刺には『代表 福来 今日子』と書かれていた。
私は今、大学を辞め今日子さんの元で秘書見習いをしている。
今日子さんも社員の皆さんも私を歓迎してくれた。
一夜にして憧れのお姉さんになった今日子さんが、今は上司で社長だ。
けれど、そんな今が私はとっても楽しい。
両親にも謝った。
涙、涙だった。
「ひかりちゃん。行くわよ」
「はい!今日子さん」
憧れの人。
私の今は、太陽の様に照らされている。
〜終〜
こちらの企画に参加させて頂きました。
山根あきらさん
削って、削って、やっと800字の範囲以内に💦よろしくお願いします。