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いちごの王様(エッセイ)

サンリオから発行されている『いちご新聞』という新聞を知っていますか?

そこには、必ずサンリオの創業者であり現名誉会長である『辻 信太郎』さんこと【いちごの王様】からのメッセージが綴られている。

私がこの事を知るきっかけになったのは『キティちゃんと王さまの約束〜鉛筆1本から描く平和〜』というドキュメントをテレビで録画したのを見たからだ。

番組の内容には「世界中から愛されるキティちゃんですが、実は創業者の辻信太郎さんの反戦の思いが込められいます」と書かれてあり、私はキティちゃんと反戦という相対する言葉が気になり、録画をしたのだ。

そんなサンリオのテーマパーク、サンリオピューロランドで開演されている劇には、キティちゃんと仲間達が「悪いもの」と敵対する場面があるのだが、キティちゃん達仲間は、決して暴力を使わず仲良くなっていく。

言葉、対話でほどいていくのだ。


創業者である辻󠄀さんが『いちご新聞 8月号』に書かれ、そしてドキュメントでもクローズアップされていた言葉がある。

王さまは空襲にあった日からずっと、「どうして誰も何も悪いことをしていないのに、こんなに爆弾を落とされて殺されなければならないのか?」と考え続けていました。誰に聞いても「戦争だから仕方がない」と言うばかりでした。

いちご新聞 8月号 いちごの王様からのメッセージより 

この『戦争だから仕方がない』という言葉が「許せない言葉」だと、辻さんは語っていた。

『〜なんだから仕方がない』

もし、私も聞かれたら同じ様に言うかもしれない。

そう誰かに言う事で、自分も納得させるのかもしれない。

そう思う方が“楽”だから。

私も「誰」に聞いても、の「誰」の中の一人かもしれない。

けれど、こうにも思う。

『そう答えるしか出来ないのかもしれない』と。

けれど、それが嫌だと思ったから、辻さんは、現在も掲げられているサンリオの「仲良し」という理念を作り、何十年にも渡って世界中に愛されるサンリオになった。

キティちゃん達になっていった。

私は今でも、このドキュメントを録画したまま削除せずにとっといてある。

辻さんの思いを改めて観たい。
感じたい。

そういう気持ちを感じた時に、ちゃんと見返せる様に。








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